死神カメレオン(『仮面ライダー』第6話)

あらすじ

ナチスドイツが終戦間際に残した秘密の財宝が収められているという鉄箱。その鉄箱のありかを知る唯一の存在である元日本海軍の砂田少佐を、ショッカーの改造人間カメレオン男が襲った。しかし、そのありかを白状しない砂田に、カメレオン男は入院中の砂田の娘を人質に取ろうとする。

しかし、透明化して気絶した砂田を引きずりながら病院へ向かうその不審な様相をルリ子に目撃されており、娘の病室で砂田を脅迫するカメレオン男の前に猛があらわれる。猛は鉄箱のありかの地図を横取りすることに成功するも、砂田はカメレオン男にさらわれてしまう。

猛は鉄箱を仲間の研究者に預けるが、その帰り道でカメレオン男の罠にかかり、とらわれてしまう。カメレオン男は意識を失ったままの猛とルリ子を鉄橋の線路に縛り付け、列車にひき殺させようとするが、常人の十数倍の回復力を持つ改造人間である猛は、直前に目覚めて脱出に成功。逆にカメレオン男が研究室から鉄箱を奪った隙に戦闘員の一人と入れ替わり、カメレオン男の一味に紛れて琵琶湖のアジトへと潜入するが…

解説

今回は多少ミステリーチックなテイストを含むエピソードです。

ナチスの秘密が収められた鉄箱。それは普通の方法で開けることがきない蓋のない箱。いったいその中身は何なのか、という興味をうまく引きつける演出になっています。

旧1号ライダーの弱点

カメレオン男が猛を罠にかけて捕らえる際に、ショッカー科学陣のハインリッヒ博士による、仮面ライダーの弱点研究が行われますが、その結果は、「ベルトの風車を止めること。1平方メートルの密室に閉じ込めること」というものですが、これはなかなか合理的な分析であると思います。

元々ライダーのエネルギー源はベルトの風車なので、風車を止めることは当たり前として、1平方メートルの密室に閉じ込めるというのは、実は前回やってるんですよね。前回のは天井が空いているので厳密には密室ではありませんが、狭い穴に落とされた猛は、何もできない状態に追い込まれています。

これはある意味旧1号ライダー限定の弱点と言えます。旧1号は、ベルトの風車に風圧を受けることで仮面ライダーに変身したり、エネルギーを蓄積したりしているわけです。しかし、狭い空間では変身できるほどの風を浴びることはできず、変身ができません。2号ライダーや新1号ライダーならば、こんな状態でも変身ポーズを取ることで変身可能なのですが、旧1号だからこその弱点ですね。

今回、東京で戦闘員になりすましカメレオン男の一向に紛れ込んだ猛は、東名高速を通って琵琶湖のアジトまで遠征していますが、次回は大阪が舞台となります。

脚本:伊上勝
監督:折田至

第5話「怪人かまきり男」第7話「死神カメレオン 決斗!万博跡」
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