毒ガス怪人トリカブトのG作戦(『仮面ライダー』第37話)

あらすじ

ショッカーは、新たに開発した殺人植物を日本国中にばらまいて大量殺人を実行する「G作戦」を企て、改造人間トリカブトに命じて殺人植物の実験を行わせた。十分な殺傷力を確認し、実験は成功したが、実験現場を子供(ミツル)に目撃されてしまった。G作戦決行前に、ミツルの口を塞ぐよう厳命するゾル大佐。

一方、ミツルは目撃した怪人による殺人を母親に訴えるが、母親はまともに取り合わない。業を煮やしたミツルは、自分で描いた怪人の絵を街中の電柱に貼り付けていき、怪人の存在をなんとか世間に伝えようとする。

その絵は、五郎の目にも止まった。不審感を覚え、隼人に相談する五郎。ミツルが見たのはショッカーの改造人間ではと疑った隼人と滝がミツルに会いに行くが、滝が到着して母親と話している間に、ミツルはトリカブトにさらわれてしまう。遅れてやってきた隼人がライダーに変身して戦うも、逃げられてしまった。

隼人がミツルの部屋で見つけた植物を大学で調べると、それは毒ガスを吐き出す殺人植物であることが判明した。

その頃、立花レーシングクラブでは、ショッカーの息がかかった花屋によって届けられた殺人植物が毒ガスをまき散らしていた。間一髪駆けつけた隼人達によって一命を取り留める藤兵衛。ゾル大佐は通信越しに、五郎とミツルを始末すると宣言。隼人は藤兵衛から五郎の居場所を聞き出し、急行するが…

解説

リア充許すまじ

冒頭で水源地らしきところでデートする男女。…こういうシチュエーションって、この番組ではだいたい死亡フラグなんですよね。案の定、ショッカーの殺人植物の餌食になってあの世行き。制作スタッフはアベックに何か恨みでもあるんですかね?「リア充爆発しろ」って奴でしょうか(笑)

あ、「アベック」っていうのは「カップル」の古い呼び方ですね。この時代だとアベックという言葉の方が普通だったはず。まあ、私が物心ついた頃にはもう使われなくなってた気がしますが。

(こんなサイトを運営してますが、私はリアルタイムでこの番組を見ていたわけではありません。リアルタイムの頃、私はまだこの世に産まれてませんでした)

ダイヤル式電話機

ミツルがさらわれた後の彼の家で、滝が隼人やTRCと電話で連絡を取ろうとするシーン。当然ではありますが、電話はダイヤル式ですね。平成世代の人たちはこの電話機を知らないでしょう。今のようにプッシュボタンを押すのでは無く、ダイヤルを回す長さで番号を認識するシステム。私が子供の頃はまだこのタイプの電話機が現役でしたね。懐かしい。

ただ、この家には電話機が二台あるんですよね。この頃はまだ親子電話なんてものは無かったと思いますし、そもそも隼人と通話しながら立花レーシングクラブに電話しようとしているので、回線も別個なのでしょう。

あと、今回再生怪人らしき奴らが現れてますね。五郎達が向かった「怪獣サイン会」に現れたのは、モグラング、ムカデラス、カニバブラー、アルマジロング。キノコモルグの「お化け大会」の時は戦闘員がいるのに不信感も抱かなかった五郎君ですが、今回はさすがに「見たことあるぞ」と不審の目。まあ、それで何かできたわけでもないのですが。

それにしてもゾル大佐、作戦をベラベラ喋ってしまう悪い癖が抜けませんね。今回だってレーシングクラブに駆けつけた隼人達に、通信越しにわざわざ五郎を始末すると教えてしまってるんですよね。五郎はイベントへ出かけただけということになってるので、そんなことしなければ、隼人の意識が五郎に向くことはそもそも無かったはずなのに。それをご丁寧に、ベラベラと教えたものだからライダーによる救出が間に合ってしまう。そんなパターンがこれまで何度あったことか。

脚本:島田真之
監督:折田至

第36話「いきかえったミイラ怪人エジプタス」第38話「稲妻怪人エイキングの世界暗黒作戦」
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