恐怖の大幹部 ドクトル・ゲー!?(『仮面ライダーV3』第13話)

あらすじ

丹沢の牙ヶ岳には江戸の昔よりイノシシ男が生息しているという伝説が残っていた。そのイノシシ男伝説を追う民俗学者で、志郎の後輩でもある吉沢秀夫が、理解者であるガールフレンドの良子とともに牙ヶ岳に入山し、正体不明の怪物に襲われて姿を消した。

現地ライダー隊員の通報を受けて志郎も牙ヶ岳入りしたが、地元民に危険だからと止められ、代わって地元の診療所に入院した良子の様子を見に行ったが、そこに行方不明になっていたはずの吉村が現れる。吉村は、突然イノシシ男の存在を否定しはじめ、研究も打ち切ると一方的に言い捨てて、診療所を去って行った。

この吉村の正体はデストロンの改造人間・ジシャクイノシシが化けた偽物だった。ジシャクイノシシは、自身の左腕に装着された、スーパー磁石の常軌を逸した強力な磁力で、新幹線を皮切りに東京の交通網を大混乱に陥れる計画を企てていた。その磁石のテストに巻き込まれた乗用車の運転手を救出した志郎の前に現れたジシャクイノシシ。志郎はV3となってジシャクイノシシと戦うが、V3キックも磁力バリアで跳ね返されたばかりか、そのスーパージシャクで電子頭脳を痛めつけられ、爆死してしまう。

…というのは、見せかけ。26の秘密の一つ、逆タイフーンの力で、自爆したように見せかけてその場をやり過ごしたのだった。

藤兵衛と連絡を取りつつ吉村の動向をさぐり、新幹線の運行現場を下見する彼の前に現れた志郎は、吉村を庇う良子の前で、ジシャクイノシシの正体を暴いた。同じ手は二度と喰うわけにはいかない。スーパージシャクの影響が及ばない背後を取るようにジシャクイノシシを攻撃し、「V3電撃チョップ」で左手のスーパー磁石を叩き折った。虎の子の武器を失ったジシャクイノシシは自暴自棄の突進攻撃で、自爆死した。

スーパー磁石により交通網を混乱させる計画は志郎の活躍で潰えた。しかし、それは実は囮作戦だった。ジシャクイノシシの作戦に志郎の目を引きつけている間に、大幹部ドクトル・ゲー率いる怪人軍団を日本に上陸させる「G(ゲー)作戦」が密かに進行、無事にドクトル・ゲーは日本支部に着任を果たした。

「ドクトル・ゲーが日本に来た以上、仮面ラーイダV3など一撃のもとにこの地上から、抹殺してご覧にいれます!」

解説

前回までの1エピソード2話構成は今回からは次第に減り、1エピソード1話構成、登場する怪人も一体ずつというこれまでのスタイルに徐々に回帰していきます。

ドクトル・ゲーの登場以外はこれと言った見所に乏しい回です。ジシャクイノシシがAパートでV3をかなり苦しめたのが見所と言えば見所ではありますが。これといったツッコミどころも無いですしね。

そのドクトル・ゲーも、今回は本当に最後に顔を見せただけなので、詳しい解説は次回に譲るとしましょう。

ちなみに、昭和仮面ライダーを愛してやまない漫画家・村枝賢一氏の『仮面ライダーSPIRITS』で、V3が逆タイフーンで自分に群がる怪物を吹っ飛ばすシーンがあるのですが、今回逆タイフーンが使われたときのナレーションによると、逆タイフーンは風車を逆回しして強烈な土煙を巻き起こして自爆に見せかけるだけなので、それ自体に殺傷能力は無さそうな気がしますね。

脚本:伊上勝
監督:山田稔

第12話「純子が怪人の花嫁に!?」第14話「ダブルライダー秘密のかたみ」
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