超能力少女をさらえ!(『仮面ライダーX』第12話)

あらすじ

固いスプーンも曲げる念力、箱の中身を当てる透視能力。テレビで超能力を実演する少女・恵子の父親は、超能力研究の第一人者とされる超心理学者の川村博士だった。GODは川村博士を組織に引き入れるべく、テレビ出演帰りの恵子と妻の明子を誘拐して人質とした。

川村博士の邸宅に現れた白スーツの怪しい男を敬介は男を追跡するが、男を見失ったその場に姿を現したのはアポロガイストだった。川村博士の家で何をしていたのかを問い詰める敬介にアポロガイストは答えず、怪人キマイラに敬介を襲わせ、自身はさっさと立ち去る。敬介はXライダーにセットアップして迎え撃つ。しかし、10,000度の高熱火炎を操るキマイラの前に、Xライダーは倒されてしまう。

GODのアジトでは、恵子が超能力で鍵を開けてアジトを逃げ出そうとするも、アポロガイストにあっさり露見。超能力者相手に見張りも付けなかったキマイラの初歩的な失態を責め立て、処刑しようとするアポロガイスト。だが、「GODの宿敵Xライダーを殺した俺を、この程度で処刑するのか!」というキマイラ。アポロガイストは真偽を確かめるため、人間の姿で藤兵衛の元を訪れ、敬介が待ち合わせに現れない事実を聞き出した。
「キマイラの話もまんざら嘘でも無いか」
しかし、敬介は実は倒されたフリをして生き延びていた。

翌日正午、キマイラが川村博士宅に現れ、改めてGODに加わるよう要求。やむなく承諾する博士を、アジトへ車で連れ去った。しかし、川村博士は藤兵衛からライター型発信機を受け取っており、これにより敬介はアジトの場所が、川村博士の研究所にあることと突き止め、クルーザーで現地に急行した。

GODに忠誠を誓った者は直ちにサイボーグ手術を受けるのが掟。川村博士が妻・娘ともどもサイボーグ手術を施されようとしている手術室に、Xライダーが乱入した。ライダーは川村一家を助け出し、キマイラとの戦いに。

高熱火炎でバリケードを貼るキマイラに、水中に飛び込んで身体を冷やしてからのXキックを浴びせ、見事これを撃破した。

「遅かったか!Xライダーめ、さすがにタフな奴だ」
一足遅かったアポロガイストが憎々しげにつぶやく。こうして、超能力少女とのその一家は、GODの陰謀から救われたのだった。

解説

超能力ブーム

超能力。

実はこの『仮面ライダーX』の放映時期は、日本に超能力ブームが起こった時期と重なっています。1974年のことですね。ユダヤ人超能力者ユリ・ゲラーの来日を皮切りにブームが起こり、今回ゲスト出演している「超能力少年」関口淳も丁度この年に脚光を浴びていた人物です。COLにふらりと現れて次々とスプーンを曲げる超能力を披露する関口少年ですが…このエピソードの放映から1ヶ月もたたないうちにその超能力のトリックを暴かれ、世間の批判に晒されることになってしまいます。彼のその後も調べてみましたが…ちょっとここでは詳しく書かない方が良さそうです…。

ちなみに筆者は超能力を含めてオカルトの類いは全く信じないタイプです。超能力の代名詞であるスプーン曲げも、てこの原理などを応用してある程度「力任せに」曲げ、あとはそれを演技力で注意をそらしたり演出したりする、手品の一種だと言われてますね。

ジャンピングセットアップ

今回、敬介は2回セットアップしていますが、そのどちらも、いわゆる「ジャンピングセットアップ」。サイドバックルのレッドアイザーとパーフェクターに手をかけて取り出すときに「トォッ!」とジャンプして、空中でレッドアイザーとパーフェクターの装着が完了します。

…ハッキリ言いますが、超ダサい

さすがにスタッフもダサいと思ったのか、次回には普通に戻ってますね…

脚本:鈴木生朗
監督:折田至

第11話「不死身の水蛇怪人ヒュドラー!」第13話「ゴッドラダムスの大予言!」
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