悪魔の裏切り あやうしV3!(『仮面ライダーV3』第18話)

あらすじ

山の上教会で時限爆弾の直撃を食らって重傷を負ったV3は、気を失った状態でデストロンのアジトに運び込まれた。その間にも、東京にデビルスプレーをまき散らすスプレーネズミによる被害は拡大。佐々木医師による解毒剤開発も進展は無く、アキオの病状も厳しい状態が続いていた。

デストロンのアジトで目覚めた志郎。ドクトルGは散々デストロンの邪魔をした志郎を苦しめながら死なせようと、3000Vの電流を流したスネークチェーンでジワジワとなぶるが、志郎は汗を含ませた手でチェーンを掴み、ショートさせる機転で脱出。V3に変身し、逆にドクトルGを拘束。デビルスプレーの解毒剤のレシピがかかれたバイブルを奪い、捕らわれていたユリコも救出してアジトから脱出するV3。

追いすがるスプレーネズミとクサリガマテントウを迎え撃つV3。V3キックを放つV3の足をクサリガマで捕らえたクサリガマテントウが、スプレーネズミにトドメを促すが、スプレーネズミは突如「戦えなくなった改造人間はデストロンに不要だ!」とクサリガマテントウを始末にかかった。

まさかの裏切りにあったクサリガマテントウは、V3がスプレーネズミを退けた後、デストロンを裏切るとV3に宣言した。志郎も当初は警戒してライダー隊本部の一室に拘束していたが、持ち帰った解毒剤のレシピは偽物だったとわかると、本物の解毒剤を得るべくクサリガマテントウの案内でアジトへ踏み込む。

しかし、やはりクサリガマテントウの裏切りは狂言だった。アジトの密室に誘導されて閉じ込められた志郎だったが、クサリガマテントウの虚言も予期していた志郎は、V3に変身してレッドランプを発動し密室を脱出。本物の解毒剤も入手し、さらにはクルマで逃げる両怪人をハリケーンで追い、郊外の工事現場でスプレーネズミ、クサリガマテントウをそれぞれ撃破した。

解毒剤により、アキオの病状も無事回復。東京の被害も最小限に食い止められた。

藤兵衛の計らいで、ユリコとアキオは改めて、セントラルスポーツでささやかな結婚式を挙げるのだった。

解説

一般人なら感電死するであろう、スネークチェーンの3000ボルトの電流。いや、確かに一般人なら即死でしょうけどね、この「業界」では3000ボルトってかなりショボいほうですよね。前にも触れた気がしますが、ショッカーのエイキングは100万ボルト、シードラゴンは1万2千、ストロンガーの電キックは10万ボルト。V3はスペック上、100万ボルトまでは耐えられることになっているので、3000ボルト程度では蚊に刺された程度でしょうな…。実際、最後の戦いでクサリガマテントウに電流を流されても「そんなものはV3には通用せん!」と平然としてますしね。

クサリガマテントウの裏切りの狂言で、スプレーネズミが「戦えなくなった改造人間はデストロンに不要!」といいますが…別にクサリガマテントウ、普通に戦える状態だよね。V3との戦いで目立ったダメージを受けたわけでもなく、武装のクサリガマも無事なわけで。正直、スプレーネズミのこの台詞を聞いたときの感想は「は?何言い出してんのコイツ?」でした。

それよりもそのクサリガマテントウ、最後の戦いではは腕のクサリガマを吹っ飛ばされたと思ったら、今度は背中に装備したミサイルを放つという思いもよらない裏技を見せます。しかもV3にはかわされるものの、破壊力もなかなかえげつない。「クサリガマテントウ」の名に偽りありだと思いますが…これも策略?ww

ちなみに、今回も一番しくじりをやらかしたのは、やっぱりドクトルGですね。時限爆弾でふらふらのV3をさっさと始末すればいいものを、わざわざアジトへ連れてきて「苦しめながら殺す」という見事なフラグ立てを演じて脱出を許すお約束。さらには斧を投げたら壁が壊れて、そこにあった本物の解毒剤を奪われるという二重の失態。

日本着任以来目立った戦果も無く、このままではマヌケな大幹部の汚名は免れません。果たして、名誉挽回はあるのでしょうか…

脚本:島田真之
監督:田口勝彦

第17話「デビルスプレーは死神の武器」第19話「ハリフグアパッチの魚雷作戦!!」
『仮面ライダーV3』エピソードリスト・解説へ