怪人クラゲウルフ 恐怖のラッシュアワー(『仮面ライダー』第82話)

あらすじ

ゲルショッカーが生み出した、クラゲと狼の合成人間・クラゲウルフは、体内に吸い取った電流をプラスとマイナスに分離して、強力な放電現象を起こすことができる。その能力で、ラッシュアワーの新宿駅に落雷を発生させて爆破する計画を企てていた。

ブラック将軍の命令を受け、クラゲウルフは早坂発電所を襲撃し、電流を吸収。さらには、能力実験として二人の作業員を放電現象で焼き殺してしまった。

その実験の一部始終を目的していたトオル少年を確保するべく、ブラック将軍は、戦闘員達を差し向けるが、トオルを保護したミツルが身代わりとなり、ナオキが本部へと連絡を入れたため、猛と滝が現場に急行し、これを妨害する。しかし、クラゲウルフの放つ10万ボルトの強力電流を浴び、大ダメージを受けたライダーはいったん撤退。猛はそのまま本部へと戻るが、滝もミツル達も本部には戻っていなかった。

ライダーを取り逃がしたクラゲウルフは方針を変更。藤兵衛の親友である中村の身体を乗っ取り、まんまとライダー隊本部に潜入。通信機に発生した異常などから、猛に正体を見破られたクラゲウルフだが、隙を突いて猛を羽交い締めにし電流を流し、心停止に追い込んだ。

猛を抹殺し、捕らえた少年ライダー隊の面々を、新宿駅を一望する建物の屋上に集め、新宿駅爆破計画を語るクラゲウルフ。しかし、そこに耳慣れた声が響いた。
「そううまくいくかな?クラゲウルフ!!」

仮面ライダーだった。
「俺の力を侮ったなクラゲウルフ!自分を仮死状態にするくらいのことは簡単なことだ!」

ライダーの出現で新宿駅爆破どころでは無くなったクラゲウルフは車で逃走するが、サイクロンで追跡するライダーに追いつかれた。高圧電流を駆使して有利に戦いを運んでいたクラゲウルフだったが、ライダースイングで海にたたき落とされると、体内の電流が放電してしまい一気に弱体化。残された力で、本物の中村を人質に取るが、弱ったクラゲウルフは中村を拘束しきれず、逃れられたところにライダー錐揉みシュートを食らい、爆死した。

解説

最近の更新記事では、シードラゴンだ、V3に登場するクサリガマテントウだと、電気系特殊能力を使う怪人が続いたので、クラゲウルフで「またか…」って感じだったりしますが…くらげウルフの10万ボルトは電気系怪人の中では割と優秀なほうですね。

ただ、やはり電気系能力を持つ怪人では今のところショッカーのエイキングが一番優秀です。なんと言っても100万ボルトで、自在に稲妻を呼び出すこともできる。しかも量産の目処まで立っていたという…。

このクラゲウルフ、ブラック将軍によると「ゲルショッカーが誇る生体科学力とコンピューターの完全なるデータによって作られた」らしいのですが、どう考えてもエイキングの方が遙かに優秀。ちなみに10万ボルトレベルなら、他にもナマズギラーって奴もいますし、ゲルショッカーの力って、別にショッカーより上ってワケでもなさげじゃん…。

ただ、エイキングは2号ライダーとの交戦中に、謎のエネルギー切れらしき現象を起こしているので、何か致命的な欠陥を抱えていたのかもしれません。ナマズギラーも特殊な設備が無ければ充電できないという難点を抱えていた。そういった妙な弱点が存在しない、という意味ではクラゲウルフはショッカー怪人を超えていると言えなくも無いのかも?

脚本:島田真之
監督:塚田正煕

第81話「仮面ライダーは二度死ぬ!!」第83話「怪人イノカブトン 発狂ガスでライダーを倒せ」
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