怪奇!!デストロンレインジャー部隊(『仮面ライダーV3』第25話)

あらすじ

人間猿が出没するという噂の山に、その姿を求めて入山した工藤兄弟は、現地でデストロンのレインジャー部隊を目撃する。兄弟は下山してライダー隊本部に通報。兄が藤兵衛と自宅のマンションで打ち合わせることとなったが、その兄は藤兵衛の目の前で向かいのビルから投擲された怪人カマキリメランの殺人ブーメランで命を奪われてしまう。

かけつけた志郎がカマキリメランの姿を発見し、向かいのビルに乗り込む。V3に変身した志郎を相手に、カマキリメランは一方的に叩きのめされ捨て台詞とともに撤退。カマキリメランが工藤の弟ケンジの元へ向かったと判断し、V3はハリケーンで追跡するも、たどり着いた山中では既にケンジがデストロンの手に落ちていた。

再び襲いかかってくるカマキリメランと戦闘員達の隙を突き、ケンジを救出するが、ケンジは脱出中にカマキリメランのブーメランを食らって負傷を負ってしまう。

デストロンの追っ手から逃れ、山小屋にケンジと避難する志郎。その山小屋をレインジャー部隊とカマキリメランが包囲するのを確認したドクトルGは、次なる作戦を発動を密かに宣告した。

志郎はデストロンの包囲を察知して、山小屋から打って出た。カマキリメランによって水源地の滝の下に落とされるも、志郎はV3に変身してカマキリメランを圧倒。
「遅いのだライダーV3! おれが貴様を追い込んでいる間に、レインジャー第二部隊は東京の各地に潜入している!」
カマキリメランの口からデストロンの作戦の本丸を知ったV3。カマキリメランをV3回転フルキックで打倒し、レインジャー第二部隊を追って移動する。しかし、デストロンの作戦行動に具体的な宛てがあるわけでもなかった。

デストロンのレインジャー第二部隊は東京の第三浄水場に侵入し、水道水に毒薬を仕込んだ。早くも被害が出始める中、純子もその汚染された水を口にしようとしていた。

純子の危機に、志郎は間に合うか?

解説

オオミヤマ

人間猿が出没するという山は、ナレーションでは「オオミヤマ」と呼ばれていました。オオミヤマと呼ばれる山は、ざっと調べた限りでは大見山、大深山(ともに長野県)、大美山(岐阜県)、近江山(滋賀県)とありますが、どこも別に人間猿が出没するなどという言い伝えの類いは無さそうです。

劇中で言う「オオミヤマ」とやらが、これらの実在の山のどれかなのか判断が付かなかったので、あらすじでは敢えて山の名前を伏せました。

まあ、人間猿とやらの正体はデストロンのレインジャー部隊だったわけですが、そのレインジャー部隊とやらの正体はただの戦闘員です。まあ戦闘員の中でも選りすぐりではあるのでしょうが…。確かにデストロン戦闘員の奇声はは猿の声に聞こえなくも無いですね(笑

スクランブルホッパー

話の流れとして唐突過ぎて、これもあらすじからは省いていますが、今回「スクランブルホッパー」なるアイテムが登場します。V3が作ったという蛇腹状の筒のようなアイテムです。特殊パイプになっていて、振り回すと戦闘員を攪乱させる高周波を放つのだとか。

シゲルの前に唐突に現れたV3が(志郎ではない)、シゲルにこれを手渡すシーンから始まり、ケンジが戦闘員の拘束を逃れる際もこれが使われていますが、これは何やら玩具メーカーの思惑が見え隠れするアイテムではありますね…実際、玩具として発売されていたようですしね…。

ちなみに今回シゲルの出番はこれだけだったりします(笑

過去最高レベルの情けなさ

今回の怪人カマキリメランですが、ある意味強烈な印象を残す怪人ですね。私の好きな左右非対称デザインというのもあるのですが…これが弱い。とにかく弱いし、情けない。

V3に変身してもこのカマキリメランに勝てると思うか!」

と大見得を切ったかと思ったら、V3パンチで豪快に吹っ飛ばされ、ブーメランがV3に命中してもノーダメージ。挙げ句の果てにはキャッチされて戦闘員の始末に逆用される有様。肉弾戦になっても、V3が一方的に殴る蹴るの暴行状態。そのたびに発するうめき声も、雑魚感てんこ盛り。しまいには苦し紛れに作戦の内容をペラペラV3に喋ってしまう始末。「俺が貴様を追い込んでいる間に」って、どう見ても追い込まれてるのアンタだし。

ここまで情けない怪人も、そうはおりますまいて…

脚本:伊上勝
監督:塚田正煕

第24話「怪奇!ゴキブリ屋敷!!」第26話「怪人ヒーターゼミのミイラ作戦!!」
『仮面ライダーV3』エピソードリスト・解説へ