見た!デストロン首領の顔!!(『仮面ライダーV3』第48話)

あらすじ

デストロンの首領が表れるという代々木のデストロンアジトに潜入したV3とライダーマン。しかし、首領が表れるという情報はヨロイ元帥が結城を通して流した偽情報であり、二人は罠に落ちて落とし穴に閉じ込められた。閉じ込められた二人は、外部から藤兵衛の力も借りて、ライダーマンのドリルアームで脱出を果たすが、デストロンの「東京全滅作戦」は既に動き始めていた。

デストロンは怪人オニヒトデを差し向け、戦闘員らと共に東都中央病院を襲撃。アジトを脱出したV3が急行し、オニヒトデと闘いとなるが、後から追いついたライダーマンが表れるとオニヒトデは離脱する。

なぜデストロンがこの病院を襲ったのか。看護師の証言で、ずっと閉め切られた状態になっているいう二階の特別室に志郎と結城の二人が踏み込むと、隠し扉の奥に、デストロン首領の姿があった。軍服姿の親衛隊戦闘員を蹴散らしながら、それぞれV3とライダーマンに変身する二人。V3が首領の身を捕らえ、V3キックで仕留めようとしたところに、ライダーマンが首領を庇うように割り込み、V3キックはライダーマンを直撃する。

首領はそのまま姿を消し、その姿を探し回るV3の前に現れたのはオニヒトデだった。自在に身体を分裂させることのできる特殊能力に翻弄され苦戦したV3だったが、遅れて現れたライダーマンがネットアームで分裂能力を封じたところに、V3三段キックを浴びせてオニヒトデを撃破した。

デストロンは悪だと理解はしたが、首領は自分の恩人であり思わず庇ってしまったと、自分の行為を志郎の前で悔いる結城。志郎は結城の複雑な心情を慮りこれを赦した。そして、今度こそ共にデストロンを斃す決意を、二人で固めるのであった。

解説

代々木のアジトにデストロン首領が表れるという情報は結局ヨロイ元帥が結城丈二を介して流した偽の情報だったというオチ。ほんと、ヨロイ元帥は結城丈二をいびるのがお好きですねぇ。

二人をまんまと罠にはめ、閉じ込めた空間の空気を抜いてしまうヨロイ元帥。真空空間ではV3のダブルタイフーンも効かない、と語ってましたが、確かに空気のない真空空間では風車は回りませんね。ダブルライダーから受けついだ風車は、風を取り込むためのものですが、仮に自力で回しても風は発生しませんし。

一方で、ほとんど生身の身体であるライダーマンはV3のように酸素タンクを内蔵していないため、携帯用の酸素ボンベでなんとか呼吸をつなぐのですが…

実際に人間が真空空間に放り込まれたら、単に呼吸ができない程度ではすみません。窒息するよりも先に、体内の空気圧で身体が爆発するか、あるいは血液などの体液が沸騰して死ぬかのどちらかでしょう。頭脳以外生身の部分がないというV3ならともかく、右腕だけが機械のライダーマンでは真空空間で耐えられる道理はないんですけどね…

そのライダーマン、V3が首領にトドメを刺そうとしたところを、とっさにかばい立てに入ってしまうと言う暴挙を働きます。デストロンを悪と認識しつつも、やはり首領は恩人であり目の前でたおされるのは見たくないと、とっさに庇ってしまったと。複雑な背景を抱え、デストロンや首領への想いも複雑なものを持っている。脇役でありながら、ライダーマンというキャラクターが歴代作でも高い人気を誇るのは、こういった複雑な葛藤を抱えていればこそと言えるでしょう。

あと、姿を消した首領を探し回るときのV3、いい加減マスクの下顎部の変色が進みすぎて酷いことになってます。いい加減塗り直してあげましょうよ…

脚本:海堂肇
監督:折田至

第47話「待ち伏せ!デストロン首領!!」第49話「銃声一発!風見志郎倒る!!」
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