やったぞアマゾン!ゼロ大帝の最後!!(『仮面ライダーアマゾン』第24話)

あらすじ

ゼロ大帝はヘリウム爆弾の起爆を、午後1時「ゼロアワー」と定め、黒ジューシャ達が直ちに爆弾の設置へと動き始めた。

一方で、落とし穴の罠にはまりかけたアマゾンはすんでの所でコンドラーを使い、串刺しを免れた。その後、アジトに仕掛けられた罠に何度か窮地に陥るも、聞きをくぐり抜けていくアマゾンの前に、ついにゼロ大帝が姿を現した。アマゾンライダーに変身して立ち向かおうとするが、ゼロ大帝の槍の穂先から放たれるビームによってエネルギーを奪われ変身できず、体力を消耗し囚われの身となってしまった。

「どこでヘリウム爆弾を爆発させるつもりだ!」と拘束されながらも追求するアマゾンに冥土の土産と新宿西口ファインビルの地下で爆破することを明かすゼロ大帝。そして、ゼロアワーを目前に控え、いよいよアマゾンを処刑してギギの腕輪を奪おうと、保管していたガガの腕輪を持ち出して、高笑いしながら掲げた瞬間、ガガの腕輪は吸い寄せられるようにゼロ大帝の手を離れギギの腕輪と合体。その瞬間、超エネルギーが体内に流れ込んだアマゾンは拘束を脱出し、アマゾンライダーに変身を果たした。

アジト内でゼロ大帝と戦うアマゾン。インカの超エネルギーをその身に宿したアマゾンはゼロ大帝を圧倒。右腕を切り落とされ狼狽えたゼロ大帝は、自ら落とし穴に落下し、剣山に貫かれて絶命した。アマゾンはそのままアジトの司令室に躍り込み、ヘリウム爆弾の起爆スイッチを破壊。ギリギリのところで東京崩壊は回避された。

そのアマゾンの前に、銀色のヴェールを被った謎の男が出現する。「全能の支配者」を名乗るその男のヴェールを剥ぐと、中から現れたのは死んだはずのゼロ大帝だった。歴代の悪の団体を影で支配していたと語り、ガランダー帝国も自らの影武者を立てて支配していたゼロ大帝。そのゼロ大帝と再び対峙するアマゾンだが、やはりインカの超パワーを得たアマゾンの敵では無く、槍で腹を貫かれ両腕を切り落とされた後、トドメの「スーパー大切断」で首を切り落とされ、ゼロ大帝は完全に絶命。ガランダー帝国は完全に滅亡した。

ガランダーを滅ぼし、平和となった日本。港には、南米へ向かう客船に搭乗しようとするアマゾンの姿があった。「俺の故郷は、アマゾンだからな」別れを惜しむまさひこ達にそう告げ、日本を離れるアマゾン。

藤兵衛は言う。「あいつは、いつかまたきっと日本にやってくるよ。日本が、悪い奴らに脅かされるようなときにだ」

解説

というわけで最終回です。今回は獣人の登場は無く、ゼロ大帝とアマゾンの決着に焦点が当てられます。

そのゼロ大帝ですが、正直これまでのラスボスと比べるとどうしても絵面が地味ですよね。正体不明の怪物としか言いようのないゲルショッカーやデストロンの首領。巨大ロボットのキングダーク、これまた異形の怪物とも言うべき十面鬼などに比べ、ゼロ大帝は少なくとも見た目は普通の人間です。鎧兜で武装はしていますけども。アマゾンライダーと戦っていても、「これがラスボス戦!」という高揚感がいまひとつ。まあガランダー帝国編自体がかなり短かったというのもあるかもしれません。

相手が普通の人間なのでラスボス戦にもかかわらず、戦いがこれまた地味。というかゼロ大帝弱い。アマゾンがインカパワーでチート状態とはいえ、弱い。配下の獣人達の方がよほどアマゾンを苦しめていた気がします。なら影武者じゃない本物の方はどうかというとこれも大して変わらない。ちなみにトドメの「スーパー大切断」がどう「スーパー」なのかもイマイチわかりませんでした。タメだけはやたら長かったけどw

ゼロ大帝を顎でこき使っていた支配者も実はゼロ大帝でしたー、というオチはファンの間では脱力ネタとして語り草になっています。二人のゼロ大帝が同一人物なのか別人なのかは公式には何も語られていません。が、誰も居ないアジト内でゼロ大帝が支配者に跪き、その命令を聞いていたりもするので、さすがに同一人物というのは無理があると思いますね。なので私は影武者説を採っています。

ラストシーン。それまでハダカにベストという野生児ルックだったアマゾンが、白いスーツでビシッと決めていますが、この白スーツは主演・岡崎徹の私物なのだとか。前作のアポロガイスト人間態も白スーツを着用していますが、この時代、白スーツが流行っていたりするんですかね。今の時代だったら白スーツなんて「ヤ」のつく自営業の人か清○和博くらいしか着ないと思いますけど…

これまで一貫して野生児ルックだったアマゾンが、突然文明人の服装をキメているという点で、どことなく示唆的なラストシーンになっています。これからは文明社会で生きるという宣言にも見える一方で、それでもアマゾンに帰るという、矛盾と言えば矛盾とも取れる行動。本作品自体も初期は文明というものについて考えさせられる示唆的なテイストも含んでましたが、ラストシーンもなかなか思わせぶりです。

脚本:鈴木生朗
監督:内田一作

第23話「にせライダー対アマゾンライダー!!」

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