吸血怪人ゲバコンドル(『仮面ライダー』第11話)

あらすじ

仮面ライダーの前に連戦連敗を続けるショッカーの改造人間達。ショッカーは敗れた怪人達を再度研究しなおし、その長所を選りすぐった改造人間・ゲバコンドルを生み出した。

その活動には若い女の生き血が必要。ショッカーは郊外のうらぶれた教会に拠点を構え、結婚式に訪れた若い女性を殺害し、ゲバコンドルの餌としていた。猛のオートレースのライバルでもある滝和也の新妻も危うくそのその毒牙にかかりかける。

滝の結婚式に間に合わなかった猛は、ゲバコンドルが滝夫妻を襲う現場に遭遇。ライダーに変身して戦いを挑むが、「長所を選りすぐった」改造人間ゲバコンドルはライダーキックにも耐える強靱な戦闘力を発揮。滝夫妻は守り切るも、敗走を余儀なくされた。

教会が怪しいと目を付けた藤兵衛達は、藤兵衛とルリ子の偽装結婚式でショッカーのアジトをあぶり出すことを画策。計画通りショッカーをあぶり出し、ゲバコンドルから逃走するところに、仮面ライダーが現れる。

リベンジマッチの行方やいかに?

解説

滝和也初登場の回ですが、この時点ではまだ彼の身分(FBI→インターポール)は明らかにされていません。あくまで猛のレーサーとしてのライバルという体になっています。そういえば、本編ではこの設定が明らかにされることってあったかな?(第13話でFBIの特命捜査官であることが明らかにされました)

昭和の結婚事情?

冒頭、若い男女のカップルが、教会を訪れて老シスターに「突然ですけど私たち、ここで結婚式を挙げたいのですが」といきなり申し入れ、その場で結婚式が始まってしまうのですが…この時代の結婚式ってこんな軽いものだったのですかね? 今時の結婚式なんて、ウェディングプランナーを交えて1年近くかけて念入りに準備するのが普通ですけども。

管理人は昭和生まれではありますが、結婚したのは平成期後半なのでこのあたりはよくわかりません。

あと、式場から去るときのバイクの後ろにガラガラ鳴る鳴り物をぶら下げてるのも昭和ですねぇ…

最強!ゲバコンドル

さて、過去の改造人間達の長所を選りすぐって作られたというゲバコンドルですが、さすがにその売り文句に恥じぬ活躍ぶりです。Aパートではライダーキックにも耐え、仮面ライダーを退けています。たとえ一時でも、仮面ライダーと戦ってこれを退けるというのは、ショッカーの改造人間としては初の快挙と言って良いでしょう。

ただ、知能的には他の怪人よりも劣るのでは、と思われる描写も見られます。参列者の多い結婚式現場を襲おうとして戦闘員に窘められるシーンもありました。

Bパートの決戦でも、当初は仮面ライダーを圧倒。手詰まりになったライダーは、サイクロンでゲバコンドルを轢き殺すという非常手段に出て、どうにかこうにか勝利します。ゲバコンドルは、仮面ライダーでも最強レベルに挙げてもいい怪人かもしれません。

滝和也

このエピソードの撮影時には、もう本郷猛役の藤岡弘は病院のベッドの上だったはずです。過去の撮影分の使い回しもだいぶストックがなくなったのか、今回は本郷猛の登場シーンが激減しています。その間を埋めるために登場したのが滝和也という新キャラクターです。その役回り上、戦闘員程度に遅れを取ることはなく、バッタバッタとなぎ倒して行く戦闘力を発揮します。

2号ライダーの登場までの間、彼が本郷猛の登場シーンを補っていく役割の一端を担うことになります。

脚本:長石多可男
監督:折田至

第10話「よみがえるコブラ男」第12話「殺人ヤモゲラス」
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