怪人カニバブラー 北海道に現る(『仮面ライダー』第19話)

あらすじ

全国各地で小規模の海底地震が頻発するとともに、各地の気象観測所の地震計が破壊されるという事件が起きていた。これら一連の事件は、開発中の原水爆の威力をも上回るという海底爆弾で大津波を起こそうと企む、ショッカーの実験によるものだった。

そして、大津波作戦の本番を実行するターゲットとして北海道小樽市を選んだショッカーは、改造人間カニバブラーを小樽へ送り込み、気象庁小樽支所を襲撃させた。

全国各地の原因不明の地震、および地震計破壊はショッカーの仕業ではと睨んだ隼人は小樽の海上をボートで疾走するショッカー戦闘員とカニバブラーに遭遇。戦いの末、カニバブラーは逃すものの、カニバブラーが持っていた小型無線機から、ショッカーが使っている通信の周波数を解析。滝とマリ達にアジトの位置特定を任せ、自身はカニバブラーの動きを追う。

仮面ライダーの出現で焦ったショッカーは、一刻も早く小樽沖の爆弾を爆発させようと準備を急ぐ。滝とマリ達が位置を特定したアジトへ向かう仮面ライダーは間に合うのだろうか。

解説

小樽ロケ

今回は小樽ロケですね。実は管理人は小樽出身だったりします。なので、今回出てきた各地の光景には見覚えがありすぎて、「おお!」と唸ることしきりでした。

小樽運河、鰊御殿の見える祝津海岸、今とはそれなりに様相も変わっていますが、面影はまだ現在に色濃く残っていますね。

いわゆる「『山本リンダ御一行様』事件」があったのもこの時です。ホテルとか、団体客の予約があると入り口に『○○御一行様』と歓迎看板を掲げたりしますよね。今回の小樽ロケでも当然現地のホテルにスタッフと出演者達の宿泊予約を入れていたわけですが、その歓迎看板に『山本リンダ御一行様』と書かれていたと。

仮面ライダー撮影スタッフとして予約を入れているわけですから、当然そういう歓迎看板(「仮面ライダースタッフ 御一行様」とか)になるのが普通ですが、どうもホテルが山本リンダの名前を出した方が宣伝になると勝手な思惑でやらかしてしまったらしいです。当時は人気停滞期にあったとはいえ、やはり彼女の知名度は抜群のものがあったのでしょう。

これには山本本人も「他のスタッフの方々に失礼です!」と激怒して看板を書き換えさせたとかなんとか。

このホテルが何というホテルなのか、現在も営業しているのかはわかりません。

シャボン玉

ところで、改造人間カニバブラーの能力は、口から吹く泡で人間を溶かしてしまうというものですが、この泡の性質がなかなか面白い。水鉄砲のような銃器に込めて戦闘員に持たせるという汎用性があったと思えば、その銃を自分に向けられて狼狽えているところを見ると、この泡はおそらくカニバブラー自身にも有効なのでしょう。

まあ、どう見てもただのシャボン玉なのですが…

脚本:島田真之
監督:折田至

第18話「化石男ヒトデンジャー」第20話「火を吹く毛虫怪人ドクガンダー」
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