墓場の怪人カビビンガ(『仮面ライダー』第44話)

あらすじ

ショッカーは人間の養分を吸って増殖する殺人カビを街中にばらまき、大混乱を起こす計画を立てていた。改造人間カビビンガによる実験は成功するが、実験現場を双子の少女達に目撃されてしまう。カビビンガは二人をアジトへと誘拐した。

死神博士はカビビンガの発案により、双子に催眠術を施し、隼人と立花レーシングクラブの面々を内部から攪乱しようと企てた。

双子の片割れを使って、姉がショッカーに攫われたと訴えて隼人と滝をアジトに近い墓地へおびき出す。そして、もう一人を使ってレーシングクラブで待つ面々を睡眠薬いりの菓子で眠らせ、殺人カビの餌にしようとしていた。

ライダーはカビビンガとの戦闘中に崖下に足を踏み外して転落。滝も戦闘員に深手を負わされるが、二人ともどうにか無事だった。

催眠術が解けた双子の片割れとともに二人が立花レーシングクラブへ戻ると、まさに藤兵衛達が殺人カビの餌食になる直前だった。隼人が偶然倒したオイル缶のオイルでカビが溶け、殺人カビがオイルに弱いことを突き止めた。オイルをまき散らして藤兵衛達を救出する隼人。

一方、仮面ライダーの始末に失敗したカビビンガは首領の怒りに触れ処刑されようとしていた。死神博士はカビビンガに最後のチャンスとして、ライダーの抹殺を厳命するが…

解説

全体的な話の流れで見れば、結構よく練られたシナリオだなぁとも思うのですが、細部を見るとなんか細かいアラというか、不自然さが目立つといいますか…

例えば、

  • 滝を墓地へ連れてきた双子の片割れが、催眠術で滝を襲うように指示された際に、なぜかそこにおあつらえ向きに落ちていた剣
  • ライダーが戦っている最中に、何の脈絡も無く無造作に寺の壁に突き刺さっている手裏剣
  • カビの怪人なのに何故かほとんどが剣撃による技闘
  • 滝を気絶まで追い込んでおきながら何故かトドメを刺さずに放置して去る戦闘員達
  • etc…

極めつけは最後のシーン。藤兵衛が着用している作業着の背中の文字。「立花レーシングクラブ」と書いたつもりなのでしょうが、どう見ても「立花レーツングクラブ」としか読めないwww

「ツ」と「シ」の書き分けって、コツを知らないとうまくできない人もいますよね。「ツ」は上を揃える、「シ」は左を揃えるように意識して書くと、うまく書き分けられるとよく言われます。

ちなみに、隼人が爆風で吹き飛ばされて変身するシーンでは、ライダーが赤いマフラーを自分で結ぶという貴重なシーンが拝めます。ってか、あのマフラーはやっぱり衣装だったのかwww

脚本:滝沢真里
監督:田口勝彦

第43話「怪鳥人プラノドンの襲撃」第45話「怪人ナメクジラのガス爆発作戦」
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