ダブルライダーの遺言状(『仮面ライダーV3』第2話)

あらすじ

カメバズーカと死闘を繰り広げるダブルライダーの前に、その姿を現した仮面ライダーV3。

ダブルライダーはカメバズーカとの戦いを続ける一方、V3は二人の指示で少年ライダー隊本部へと向かっていた。

少年ライダー隊本部は、デストロンの怪人ハサミジャガーによって、藤兵衛もろとも地中に引きずり込まれていた。藤兵衛の目の前に現れ、ゆっくりとなぶり殺そうとするハサミジャガーだったが、そこにV3が参上。ハサミジャガーに立ち向かい、藤兵衛を伴って地上へ脱出。猛と隼人も合流し、デストロンを辛うじて撃退した。

家族の墓前に立ち、正義と平和のために戦うことを誓う志郎。そこに純子が現れ、墓前に花を捧げた。彼女は、志郎の家族が殺された責任を感じ、志郎に対して助力を申し出るも、志郎は「危険な目に遭わせたくない」と拒絶し立ち去る。

一人残された純子。その純子を誘拐し、志郎をおびき出すエサにするべくハサミジャガーらが襲いかかる。純子は志郎がすんでの所で救出。彼女を逃がした後で、V3に変身する。

自身の能力・戦い方がまだわかっていないV3に、ライダー同士でつながる通信を通じて1号と2号が戦い方を指南する。その甲斐あってなんとかハサミジャガーを退けるV3。

ハサミジャガー逃走経路をV3ホッパーで捕らえ、ハリケーンで後を追うと、たどり着いたのは町外れの教会。志郎は窓から潜入し、教会の地下にある地下道に降りていった神父を追う。奥まで追いかけると、神父はハサミジャガーの正体を現した。

既に、新宿副都心でカメバズーカの体内に埋め込まれた原子爆弾を爆発させる「東京全滅作戦」の準備が完了していることを明かし、今から駆けつけても間に合わないとV3をあざ笑うハサミジャガー。しかし、その会話はライダー同士の通信を通じてダブルライダーに筒抜けだった。

ダブルライダーの「最後のコーチ」の助力もあり、V3回転ダブルキックを浴びせてハサミジャガー打倒に成功したV3。

一方、新宿副都心へはダブルライダーが急行。しかし、やはりカメバズーカの破壊力に苦戦し、突破口を見いだせない。このままでは原子爆弾の爆発のタイミリミットを迎えてしまう。ダブルライダーは東京を守るため、決死の策に出た。自爆覚悟の全ネルギー放出でカメバズーカをひるませると、二人でカメバズーカを抱えて海上へと飛んだ。そして自分たちもろとも原子爆弾を太平洋上で爆発させ、東京の街を守ったのだった。

二人が消えた海上を見つめるV3に、ダブルライダーの声が、心に響いてくる。

「風見志郎、いや、仮面ライダーV3よ」
「俺たちは死なない。いつの日か、必ず帰ってくる」
「3人の仮面ライダーが揃って戦う日まで、全ては君の力にかかっている!」
「頑張れ、仮面ライダーV3!」
「俺たちは、君を見守っているぞ!」

ここに、ライダーV3とデストロンの長い戦いの幕が開けた。

解説

今回のツッコミどころ

前回の最後でV3がその姿をお披露目したところから始まります。

ダブルライダーが「少年ライダー隊本部を守ってくれ!」とV3に言うのですけど…少年ライダー隊本部に何かV3を向かわせるような異常なんて起こってましたっけ? いや、実際少年ライダー隊本部はまさに地中に沈もうとしてたんですけど、ダブルライダーはV3を向かわせた直後にカメバズーカからその事実を初めて聞いているわけでしてね…

ライダー隊本部が地中に沈むのだって何の前触れも無く、どういう仕掛けで地中に沈んだのかも全く説明されてませんけどね…

志郎に助力を拒絶された純子が「まるで人が変わってしまったみたい」とかつぶやくのですが…なんか旧知の間柄みたいなことを言う。前回助けられたのが初対面ですよね?

変身ポーズのお披露目

さて、今回初めてお披露目されるV3の変身ポーズ。V3の変身ポーズは、1号と2号の能力を受け継いだという設定にふさわしく、二人のポーズを合成したようなモーションです。最初に2号のように両腕を右から上に弧を描くように回し、最後に1号のポーズの出だしのような形に収まる。

実はこの変身ポーズは、今後何度か微妙に変わっていくんですよね。基本的な腕の流れは変わらないんですが、途中で制止してみたり、腕を振りながら身体も横を向くようになったり。最後の「ブイスリー!!」のかけ声も後に「ブイスリャァー!」になったりします。かけ声の方は志郎役の宮内洋が、音の響きを意識して意図的に変えたそうですが、ポーズの方はどうなんでしょうね。

ラストの、猛と隼人の二人の幻が志郎に後を託すシーンは、何度見ても胸熱です…

脚本:伊上勝
監督:山田稔

第1話「ライダー3号 その名はV3!」第3話「死刑台のV3」
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