死刑台のV3(『仮面ライダーV3』第3話)

あらすじ

デストロンは第一総合病院を秘密裏に制圧し、院長を改造人間テレビバエに改造した。テレビバエはその目から発する催眠光線で、人間を自由に操ることができる。その能力で、東京中の人間をデストロンの意のままに操るのが、デストロンの計画だった。

一方、立花藤兵衛は、デストロンとの新しい戦いに備え、壊滅した少年仮面ライダー隊本部に代わる、新しい拠点を構築。そのカムフラージュとして、スポーツ用品店「セントラルスポーツ」を開店した。

その本部には、珠純子が詰めていた。巻き込みたくないと純子を拒む志郎と言い争いになる中、開店祝いにデストロンから花輪が届く。カムフラージュは早速崩れていた。

花輪の配達人が受け取っていた住所を元に倉庫街を訪れると、早速デストロン戦闘員の襲撃を受けた。変身してテレビバエらと戦うV3だが、テレビバエはある程度干戈を交えるとさっさと逃走してしまった。

デストロンはテレビバエが持ち帰ったデータを元に、風見志郎の声を合成し、志郎が交通事故で重傷を負ったと偽って、藤兵衛を第一総合病院に呼び出す。既に「デストロン附属病院」と化していたその病院で藤兵衛はテレビバエに催眠されかけるが、志郎がすんでのところで救出。

しかし、そこでV3を抹殺するために作られた新たな改造人間イカファイアに襲われる。イカファイアとV3が戦う一方で、藤兵衛は車で逃走しようとしたところをテレビバエに再び襲われ、とうとう催眠光線の餌食となる。テレビバエに操られるままに車を走らせる藤兵衛。その様子を見ていた純子からの通信で藤兵衛の危機を知ったV3は、ハリケーンで車を追う。

だがそれはイカファイアの得意な地形である海へV3を誘うための、テレビバエによる罠だった。海岸でイカファイアに襲われたV3は、ダブルタイフーンの両方の風車を封じられ為す術もなく敗れた。

気絶状態で捕らえらた志郎は、生きたまま棺桶に封じられ、3000度の高熱で処刑されようとしていた。果たして、彼の運命やいかに。

解説

初期デストロンの組織力

テレビバエの登場です。これも私が好きなデストロン怪人の一人です。ハエの複眼をテレビにしてしまうとか、発想が天才過ぎません? 相方のイカファイアが単に腕に火炎放射器を付けただけなのと比べると、もうデザインの発想が斜め上過ぎて素敵すぎます。

得てしてショッカーの時代から、改造人間にされる奴って凶悪犯であったりなど、いわゆる悪人であることが多いのですが、今回のテレビバエはごく普通の病院の院長が無理矢理改造された姿。そういう善良な市民が改造されたケースでは最後に元に戻ったりすることもあるんですが、テレビバエは結局いつも通り爆死して終わりなんですよね。ちょっと可哀想です。

一方のイカファイア。こいつの誕生経緯がちょっとよくわからない。

当初、テレビバエが持ち帰ったV3のデータをコンピューターにかけて、V3を上回る改造人間を作り出すはずでしたが、コンピューターにはV3のデータは手に負えず、爆発してしまいます。にも関わらず、志郎が第一総合病院を訪れた際に、「V3を抹殺する目的で造られた」イカファイアが登場しているわけですよ。で、こいつがまた高性能で、ちゃんとV3をボコってしまってるわけです。コンピューターいらないじゃん。

前回もそうですが、V3の初期は前後編構成で、怪人も二体同時に登場するというのが基本形。今回、テレビバエとイカファイアの二体は明確な役割分担を持ってV3を追い詰めます。東京全滅作戦を遂行する一方でV3のデータを収集するのがテレビバエ、そのデータを元にV3を抹殺する役割を担うイカファイア。初期のデストロンはショッカーやゲルショッカーに見られなかった高度に組織化された作戦運用がされていて、V3も苦戦に陥ることが多くなってます。

「ヤレマセン」

コンピューターと言えばこいつもまた傑作で、テレビバエが持ち帰ってきたV3のデータを解析したコンピューターの応答が…

「ザンネンデス ライダーV3ノデーターハ コンピューターデハ ヤレマセン」

いや、「ヤレマセン」って何!?

自然言語で応答を返すコンピューターも当時としてはかなりのオーバーテクノロジーですが、その大雑把すぎる日本語は何さ!?

年齢不詳

ところで、珠純子役の小野ひずるさんって、なんか年齢不詳系ですよね。放映当時は18歳だったはずですが、アングルや衣装によってはもっと幼くも見えます。下手すれば小学生くらいにも…。この時代の女性って、今と比べると年齢がやや上方向に見えることが多い気がしますが、彼女は逆ですね…。

脚本:伊上勝
監督:奥中惇夫

第2話「ダブルライダーの遺言状」第4話「V3の26の秘密!?」
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