生きていたダブルライダー(『仮面ライダーV3』第21話)

あらすじ

藤兵衛らを人質に取られ、今にもギロチンザウルスに処刑されようとしていたV3。その時、ホテルで受け取っていた謎のメダルから、V3は行方不明となっていたダブルライダーの声を聞く。ダブルライダーのアドバイスに従い、細胞強化装置を起動してギロチンから逃れることに成功した。人質に取られていた藤兵衛ら三人は、シゲルとケンイチが救出。ギロチンザウルスはその場を逃走した。

しかし、救出した藤兵衛らは既にドクバリグモのコントロールビールスを注入されていた。藤兵衛に睡眠薬を盛られた志郎は、薬が効いたフリをしてドクバリグモを誘き出し、その戦いの中でコントロールビールスの血清を奪うことに成功する。

デストロンは急遽、作戦のターゲットを愛媛から高知へと移し、ロープウェーの山頂でSS装置の実験を敢行する。しかし、SS装置の回路ミスにより実験は失敗する。事態を受けて首領がSS装置の専門家を招聘した。

そのSS装置専門家を、デストロンに合流する前に藤兵衛が襲って志郎が入れ替わった。アジトに潜入した志郎は、デストロンに捕らえられた深澤を捜索するが、一連の動きはすべて、志郎を誘き出すためにデストロンが仕組んだ罠だった。

ドクトル・ゲーによって人工重力の部屋に深澤と共に捕らえられたV3。既に放棄されたアジトは1分後には爆発する。絶体絶命のその時、V3は再びメダルからダブルライダーの声を聞く。その声に従いメダルをベルトにセットすると、ダブルタイフーンにメダルからエネルギーが供給され、高重力化でも動けるように。V3は無事に深澤とともにアジトから脱出を果たした。

アジトを脱したV3はドクバリグモ&ギロチンザウルスを立て続けに必殺技で撃破して、デストロンの四国での作戦を完全に打ち砕いた。

ダブルライダーはどこかで生きている。あらたな希望を胸に、志郎とデストロンの果てしない戦いは続く。

解説

V3の異能が次から次と発現する回とでも言いますか。

26の秘密の一つ、細胞強化装置の発動に始まり、志郎の身体に眠り薬は通用しないという事実も明らかに。

一時はコントロールビールスを注入され危機に陥るも、V3に変身することでその効能をキャンセルしてしまう。その理屈がきちんと説明されているのが偉い。

「風見志郎が仮面ライダーV3に変身したとき、その肉体構造はすべて変わる!」

だから、注入されたコントロールビールスも無効化できると。ご都合主義と言えばそうかもですが、案外筋が通っているようにも思えます。

それにしてもドクバリグモのコントロールビールスはドクバリグモ自身にも有効なのですね。志郎によってビールスを注入されて焦ったドクバリグモが血清を服用してしまい、血清の存在が志郎に露見するという流れは、ちょっと間抜けてて面白い。

最後の戦いは久々に怪人2体との2vs1戦ですが、なぜかギロチンザウルスとドクバリグモが同時に画面に映る瞬間は一切ありませんでした。これはなんだったのでしょうね。なんらかの大人の事情が働いていたのでしょうか…

脚本:伊上勝
監督:山田稔

第20話「デストロン四国占領作戦」第22話「恐怖のキャンプ地底運河のなぞ!」
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