5大幹部の総攻撃!!(『仮面ライダーV3』第28話)

あらすじ

5体の怪人と5大幹部に取り囲まれたV3はなんとか脱出を試みるも失敗し、地下室に閉じ込められていた。ペトンガラスで覆われたその部屋はV3のパワーを持ってしても破壊・脱出は不可能。しかし、好奇心で状況を見に来た地獄大使をうまく騙して、姿を消したように見せかけて外から入り口を開けさせ、地獄大使を拘束。彼を人質として他の四幹部を牽制し、解毒剤を手にまんまとアジトから脱出を果たした。

一方で、ライダー隊本部では、藤兵衛達が連絡の取れなくなった志郎をライダー隊を総動員して捜索していたが、その行方は杳として掴めなかった。心当たりを全て当たっても収穫が無かった藤兵衛は、志郎がデストロンの罠に落ちたと判断し、一計を案じる。デストロンに、城南大学医学部の南原博士がギラードガンマの解毒剤を完成させたという情報を流し、藤兵衛が博士に、純子が助手に変装して、デストロンに誘拐されることでアジトへの潜入を果たした物の、既に志郎はアジトを脱出した後だった。

二人は正体を見抜かれ、志郎を誘き出す人質として地下室に捕らえられた。ドクトル・ゲーから、解毒剤のカプセルと交換との条件で呼び出しを受けたV3は、再びペトンガラスの部屋に入ることを見越して、キックの強度を上げる訓練を行ってから、二人の救出へと向かった。途中、ウニドグマとドクダリアンに襲撃されるがこれを撃退。アジトにたどり着いたV3は、ワナゲクワガタに解毒剤を渡し二人の開放を要求するが、逆に再びペトンガラスの部屋に閉じ込められる。

アジト司令室では、日本皆殺し作戦の全国決行の成功を祈願しての5大幹部による乾杯が行われていた。が、そこに不意の爆発が発生する。V3がペトンガラスの部屋を蹴破って脱出したショックで起きた爆発で、アジトの爆破装置が作動。5大幹部は脱出を試みるも、最初の爆発の衝撃でドアが歪んで脱出できず、30秒後、アジトとともに爆散した。

「ドクトル・ゲーや大幹部達も死んだし、これでやれやれだ」と胸をなで下ろす藤兵衛に、V3は首を振る。「いや、私にはあのドクトルゲーが、そう簡単に死んだとは思えない」

解説

どいつもこいつもプライドの高い大幹部なだけに、やはり簡単に一致団結とはいかない。おのおの、微妙に牽制し合っている空気が出ていて緊張感が漂います。

ドクトル・ゲー「地獄大使は?」
ブラック将軍「地下室へ行ったようだ」
死神博士「何をしに?」
ブラック将軍「さあ、そこまでは」
ゾル大佐「あいつは我々と違って、そそっかしいところがある
死神博士「よく注意することだな」
ドクトル・ゲー「指図は受けん!」

こんなやりとりも。

実際まんまと志郎に騙されて地下室脱出を許す失態を犯す地獄大使ですが、ショッカーを率いていた頃の彼に、別にそそっかしい印象はそれほど無いですね。むしろそそっかしいと言えばドクトル・ゲーの方が相当ですよ。結構部下の足引っ張ってますからね、この人。

ゾル大佐はゾル大佐で、地下室に閉じ込めた志郎に日本全滅作戦の内容をペラペラと喋ってしまう相変わらずの口の軽さ。

その地獄大使は、やらかした失態の重さを重々解っているようで、V3もろとも殺してくれと他の幹部に懇願するのですが、「地獄大使一人欠けたら作戦は成立しない」という首領の一声で生かされます。やはり、デストロンの人材不足はよほど深刻なようです。

とはいえ、やはりこの5人が登場すると画面の支配力が半端ない。マジで志郎の存在感霞んでますからね。

こうなると大幹部達とV3のドンパチも期待しちゃうのですが、残念ながらそのようなシーンは無く、旧組織の4幹部はアジトの爆発に巻き込まれる形で死亡。唯一生き残ったドクトル・ゲーが、いよいよ自身の存亡を欠けてV3に挑んできます。

あ、めちゃくちゃ蛇足ではありますけど、ラストシーンの純子、ちょっとだけ透けブラしてますね(ぉぃ

脚本:伊上勝
監督:山田稔

第27話「生きかえったゾル・死神・地獄・ブラック」第29話「ドクトル・ゲー最後の挑戦!」
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