鬼火沼の怪 ライダー隊全滅!?(『仮面ライダーV3』第32話)

あらすじ

少年仮面ライダー隊は、藤兵衛の知り合いである伊東が所有する鬼火沼の山荘で、二泊三日の強化キャンプを開いた。しかし、鬼火沼にはライダー隊の動向を事前に掴んでいたキバ男爵の手が既に伸びていた。キバ男爵は一族のオニビセイウチを派遣して伊東を拉致。悪魔の儀式を経てその姿をオニビセイウチに写し、本物と入れ替わった。

一方、ライダー隊とは別行動でインターポールのつてを頼りつつキバ男爵の情報を集めていた志郎と佐久間だったが、外でデストロンの戦闘員が張り込んでいることに気づき、逆に拘束してデストロンの狙いがライダー隊であることを知る。志郎は佐久間を置いてキャンプ地へと急いだ。

山荘では、伊東の正体を見てしまった純子がオニビセイウチに襲われたところに、V3が登場。V3とオニビセイウチの闘いは鬼火沼のライダー隊キャンプも巻き込みつつ展開されたが、両者もみ合いながら鬼火沼に転落。

沼から上がってきたオニビセイウチは、そのまま伊東の姿に戻って山荘で眠るの純子を口封じに殺害しようとするが、再びその場に志郎が乱入。伊東はオニビセイウチの正体を現し、変身したV3と相対する。得意の水中戦に持ち込もうとするも失敗し、V3フル回転キックを浴びて致命傷を負うが、最後の力で志郎をデストロンのアジトに誘き出した。キバ男爵と初めて相対するV3。本物の伊東もろとも、V3をアジトごと爆破しようとするキバ男爵だったが、V3は伊東と共に寸前に脱出。辛くも危機を脱した。

少年ライダー隊の強化キャンプは無事に終了し、ライダー隊員達は伊東に見送られて、鬼火沼を後にするのだった。

解説

鬼火沼、祟り、悪魔の儀式、呪いの太鼓。大幹部の交代ですっかりオカルトなノリに変貌してしまったデストロンの妖しさが今回も大炸裂って感じですね。怪人オニビセイウチは、その名の通り鬼火を操る能力を持ち、怪奇色を彩るにふさわしい怪人と言えます。伊東に化けていたオニビセイウチの正体が純子に露呈するきっかけが、鏡に映っていた彼の姿だったというのもいかにもそれっぽい。

ところで、そのオニビセイウチに姿を乗っ取られる伊東ですが、なんか最近どこかで見た気がする役者さんだなと思ったら、ついぞ数日前にアップした『仮面ライダーX』第26話「地獄の独裁者 ヒトデヒットラー!!」に出演してましたね。ヒトデヒットラーに拉致される、偽江川博士役です。調べてみると、中井啓輔という役者さんらしいです。悪役、脇役を中心に時代劇・現代劇問わず幅広く活躍されている方だったようです。仮面ライダーシリーズでは他に『仮面ライダー』第50話「怪人カメストーンの殺人オーロラ計画」に登場する、カメストーンの人間態、ロバート・タナカも彼でした。特撮ドラマでは『快傑ズバット』にも出演しているようで、本当に活動の幅が広い方だったようですね。V3との決戦でオニビセイウチに変身するシーンも、実に堂々たる演技で、キャリアを感じさせてくれます。

オニビセイウチはV3に倒された後、アジトまでV3をおびき寄せてから死ぬのですが、その最期をキバ男爵が看取るというシーンがあります。怪人の最期を看取る大幹部など、他に覚えがありません。キバ一族は僅か5話で退場となるのですが、元々それほど規模大きい一族ではなく、それ故に結束も強いということなのかもしれません。キバ男爵がV3に対して、殺されたドクロイノシシ、オニビセイウチの恨みを語るシーンからも、そんな姿が見て取れる気がします。

ところで、佐久間ケン。滝和也的ポジションを狙って投入されたという彼の出番は今回Aパートのほんの数分のみ。志郎はデストロン戦闘員からライダー隊襲撃の計画を聞き出したら、佐久間を置き去りにして現場へ向かってしまいます。佐久間の出番はそれだけ。

うーん…これが滝だったら、絶対に志郎と共に現場に向かったでしょうし、なんだったら志郎を出し抜いて先行すらしたでしょうが、佐久間は置いてけぼりで出番もこれっきり。これで滝和也的ポジションをやらせようとは…制作側はいったい何をさせたかったのか。これじゃあ存在感なんか出なくて当然ですよ。

さて、次回はいよいよお待ちかね、あの男達の帰還です。

脚本:伊上勝
監督:折田至

第31話「呪いの大幹部 キバ男爵出現!!」第33話「V3危うし!帰って来たライダー1号・2号!!」
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