待ち伏せ!デストロン首領!!(『仮面ライダーV3』第47話)

あらすじ

デストロンの計画する東京全滅作戦。それは、風見志郎の抹殺、少年ライダー隊の全滅、そして最後には東京都民の皆殺しを、デストロンが作り出した偽物の結城丈二に実行させるという卑劣極まるものだった。

ヨロイ元帥は少年ライダー隊本部の結城宛てに年賀状を郵送。差出人の住所として書かれていた横浜市中区山下町の屋敷を志郎と結城の二人が訪れると、そこは確かにヨロイ元帥が出入りするアジトだった。二人は別行動で屋敷へ潜入するが、ライダーマンとなった結城はヨロイ元帥の罠に陥れられ、囚われの身となってしまう。ヨロイ元帥が結城の身柄を確保した上で、偽結城丈二が志郎に接触。偽結城は志郎と共にアジトから抜け出し本部へ戻る途中で、無警戒の志郎を襲撃。その身体を縛り上げ、崖下に投げ落としてしまった。

偽結城はそのままライダー隊本部へ帰還。その場で藤兵衛と純子、シゲルを毒ガスで昏倒させ、時限爆弾で本部ごと爆殺しようとしたが、そこに生きていた志郎が帰還。偽結城は本部を離脱してアジトへと帰還。一方でアジトではヨロイ元帥が本物のライダーマンを解放しようとしていた。真意をただすライダーマンにヨロイ元帥は答える。ライダーマンは今やデストロンにとってもV3にとっても裏切り者、V3の手でライダーマンを始末させるのだと。しかし、そのヨロイ元帥の頭上から聞こえてきたのはV3の高笑いだった。企みの一部始終は、V3に聞かれていたのだった。

V3は正体を現した偽結城ことシーラカンスキッドと交戦し勝利。二人は、囚われている間に結城に語りかけた首領との会話の内容から、首領が到着するという代々木へ向かって急行。そこにはヨロイ元帥も到着し、デストロン首領を迎える儀式がまさに行われていた。

解説

偽V3ではなく偽ライダーマン(劇中では「デストロンライダーマン」と呼称)。さらにはその偽ライダーマンに悪事を働かせて全ての罪を結城にかぶせようとするヨロイ元帥。この結城に対するどこまでも陰湿な仕打ちこそが、まさしくヨロイ元帥って感じですね。歴代幹部の中でも最もファンの嫌悪感を集める要因の一つと言えましょう。

デストロンライダーマンは素顔の時に顔に妙なクマがある以外は、とくに本物との違いはありません。志郎も一度は完全に騙されて、無警戒なところを突かれて崖下に投げ落とされてしまいます。

結城丈二と偽結城丈二は当然どちらも山口暁が演じているわけですが、偽結城を演じているときの、志郎にバレないように虎視眈々と隙を伺うような悪役っぽい表情は、本物の結城とは同一人物でありながら同一人物でない、という微妙な演じ分けを見事にこなしていて、「役者ってすげーんだな」と改めて感心しながら見てました。

その結城丈二、アジトの様子をうかがっているところにヨロイ元帥の影に挑発されて頭に血が上り、アジトに踏み込んで捕らえられるという相変わらずの血の気の多さ。煽り態勢なさ過ぎですよ…

脚本:伊上勝
監督:折田至

第46話「ライダーマンよ どこへゆく?」第48話「見た!デストロン首領の顔!!」
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