先生に化けたクラゲ奇械人!(『仮面ライダーストロンガー』第6話)

あらすじ

奇械人の強化策として、優秀な子供の脳を取り出して奇械人に植え付けることを目論むタイタン。クラゲ奇械人を各地に派遣しては、優秀な子供達を拉致してきた。そんなクラゲ奇械人の次の標的となったのが、山間の村の小学校に通う少年、堀文夫。クラゲ奇械人は担任教師の松本に乗り移り、文夫の拉致を試みるが、松本の様子のおかしさに気づいた文夫が偶然通りかかった茂達に助けを求めたため、クラゲ奇械人の暗躍が茂達の知るところとなる。

文夫を救出に現れたタックルをクラゲ奇械人は一蹴するが、続いて表れたストロンガーには逆に一蹴され、一端は文夫を諦めて離脱。しかし、クラゲ奇械人は今度は文夫の母親に乗り移り、帰宅した文夫と連れ出してしまった。

奇械人が取り憑いたのが母親だと気づいた茂は慌てて後を追うが、ブラックサタンのオートバイ部隊に襲撃される。しつこい攻撃をなかなか振り切ることができず、文夫の身に危険が迫る。

一方、母親に取り憑いて文夫を連れ出したクラゲ奇械人だが、藤兵衛とともに通りかかったユリ子が文夫の救出に飛び込む。オートバイ隊をなんとか振り切った茂も遅れて参上。クラゲ奇械人は姿を消して二人を振りきり、アジトに文夫を連れ去るが、ストロンガー達はクラゲ奇械人が残してきた粘液を辿ってアジトへ到達。タックルが文夫と囚われていた子供達を救出し、ストロンガーはクラゲ奇械人を、電キックで海にたたき落としてから電気ストリームを海水に流して爆死させた。

かくして、タイタンの企みは潰えた。子供達に見送られて村を去ろうとする茂達を呼び止める藤兵衛。改めて自己紹介し、自分もブラックサタンと戦うと宣言する藤兵衛を笑顔でスルーし、二人は藤兵衛を置いたままその場を去って行った。

解説

あらすじで書きたいことはまだいっぱいあったのですが、かなり削ってます。ツッコミどころも含めてかなり盛り沢山な内容になっております。

優秀な頭脳を移植して怪人を強化…というのはいかにも過去の組織でもありそうな作戦ですが、実は意外とありません。優秀な学者を拉致させて協力を強要するとか、優秀な子供達を集めて特殊部隊にしたり、幹部候補生として育成するとかはあるのですが、その頭脳を怪人に組み込んで強化するというのは、実は新しいパターン。

ただ、その優秀な頭脳の基準が、「テストで100点を取った子供」というのがブラックサタン・クォリティといいますか…。そんなんで強化できるレベルだから、奇械人はあんなに弱いんじゃないですかね…。ちなみに今回のクラゲ奇械人も、今までの奇械人達と比べるとまだ頑張った方ですが、やはりストロンガーの前に為す術もなく一方的にやられてます。

最初のクラゲ奇械人との邂逅で、タックルはアッサリとクラゲ奇械人に一蹴され崖下に落ちてしまいます。直後に茂が現れ、こちらはいとも簡単にクラゲ奇械人を撃退して文夫を取り戻すのですが、茂はそこで崖下に落ちたユリ子を放置して文夫を家へ送り届けに行くという暴挙に出ます。結局崖下で気絶していたユリ子は偶然通りかかった藤兵衛に拾われる始末。「俺が通らなかったらどうなっていたか」という藤兵衛の台詞が冗談に聞こえない。茂、意外と外道です。

文夫が母親に連れられて家に戻ってきたとき、そこに松本教諭が文夫を待ち構えているシーンがあります。当然、クラゲ奇械人が乗り移っていた松本のイメージが残っている文夫は、「こいつは奇械人だ!」と叫んでその場から逃げ出すのですが、実はこの時、奇械人が乗り移っていたのは母親の方で、松本教諭は全く正常な状態。文夫のただならぬ様子を見て怪訝な顔をするのですが、そもそも奇械人でないのなら、なぜ担任教師が児童の家に居たのかという疑問が…。家に戻ってきた文夫に松本は「さあ、お勉強しましょ」とか言ってるんだが、わざわざ自宅に押しかけて勉強を教えようとする教師なんておるん?

その後、部屋に茂が押し入ってきます。一度、松本に奇械人が乗り移った姿を見ていた茂は、目の前の松本をボディチェックして奇械人で無いことを確認するのですが、これ現代なら通報案件ですよね…(松本教諭は妙齢女性)。

最後、藤兵衛は二人に挨拶するも置いてけぼりを食らいます。藤兵衛が二人にまともに仲間と認知してもらえるのは、もう少し先の話です。

脚本:村山庄三
監督:内田一作

第5話「ブラック・サタンの学校給食!?」第7話「ライダー大逆転!!」
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