仮面ライダーBLACK RX

  • 放映期間
    • 1988年10月~1989年9月
  • 主演
    • 倉田てつを

エピソードリスト

No.タイトル脚本監督備考
1太陽の子だ!RX
2光を浴びて!RX
3RX対風の騎士
4光の車ライドロン
5洞窟探検の落とし穴
6怪魔ET大暴れ!
7SOS!友情の輪
8パパとママの秘密
9マリバロンの妖術
10ニセ者でドッキリ
11スクラップの反乱
12夢の中の暗殺者
13狙われた怪魔少女
14ひとみちゃん誘拐
15ロボライダー誕生
16奇跡の谷の姫君
17バイオライダー!
18怪!夢の空中遊泳
19恐怖の人工太陽!
20バナナを喰う鬼
21愛と友情の戦線
22シャドームーン!
23ブタになったRX
24パパはドラキュラ
25さそり座の花嫁
26ボスガンの反撃
27大逆襲!影の王子
28皇帝陛下の代理人
29水のない世界
30明日なき東京砂漠
31怪魔界を見た女
32愛と希望の大空
33瀬戸大橋の大決戦
34四国空母化計画!!
35光太郎指名手配!!
36ヒーローは誰だ!?
37牙むく獣人忍者隊
38白骨ヶ原の妖舞団
39爆走!ミニ4WD
40ユーレイ団地の罠
41百目婆ァの恐怖
42四隊長は全員追放
43敗れたり!!RX
44戦え!全ライダー
45偽ライダーの末路
46ライダーの総攻撃
47輝ける明日!

解説

6年の沈黙を破り、仮面ライダー復活の狼煙を上げた前作『仮面ライダーBLACK』は、数字的には極めて良好な結果をたたき出しました。これを受け、前作の主人公がそのままシフトするという異例の続編形式を取り、新番組『仮面ライダーBLACK RX』の制作がスタートしました。

前述の通り、主人公は前作からそのままシフトして南光太郎。ただし、ライダーとしてのルックスは「太陽の力で進化した」という設定で、黒を基調としたカラーリングはそのままにしつつも、大きくリニューアルされました。ライダーとしての能力も大幅に改変されています。

ただ、続編とはいいつつも、前作から引き続いて登場しているのは主人公の南光太郎のみ(途中で2話ほどシャドームーンが登場する回はありますが、あくまでゲスト扱い)。内容的にも前作との関わりは薄く、南光太郎の人物像も前作から大きく変更されており、続編感は正直なところ薄いと言わざるを得ません。

「原点回帰」を訴求した前作とは異なり、本作ではヒーロー番組としてのエンターテイメントを追求する方向性になっており、従来の仮面ライダーのフォーマットに囚われない試みがいくつかなされています。

  • フィニッシュとしてキックではなく、武器を使用する
  • ロボライダー、バイオライダーといった、強化形態への多段変身
  • ライダーマシンに四輪車を採用

これらは当時としてはかなり大胆な試みであり、ファンの間でも賛否を巻き起こしましたが、それらの多くは現在の平成・令和の仮面ライダーに通ずるものになっており、平成・令和の仮面ライダーシリーズのルーツは、本作にあると言っても差し支えはないでしょう。

そんなエンターテイメント性を追求した本作ですが、敵の幹部同士の複雑な人間模様、敵のクライシス帝国側にも地球を攻撃する彼らなりの理由と正義があり、単純な正義vs悪の構図に一石を投じるようなラストの展開といった、見応えのあるドラマ要素もふんだんに盛り込まれ、ヒーロー番組としては非常に高い完成度を持つ作品になっていると思います。

登場人物

南光太郎(演:倉田てつを)

仮面ライダーBLACKとして暗黒結社ゴルゴムと戦った青年。ゴルゴムとの戦いを終えた後、伯父である佐原俊吉の前に、何かに打ちのめされたようなボロボロの状態で現れた。以後、居候として佐原家と暮らしを共にする中で次第に明るい性格になっていく。ヘリコプター操縦士の資格を取得し、俊吉の会社でパイロットとして新たな生活を始めた。

新たな侵略者・クライシス帝国の刺客に襲われ、変身能力を奪われ怪魔空間に放り出されるが、太陽光線を浴びた体内のキングストーンが突然変異を起こし、新たな変身能力を獲得。以後、「仮面ライダーBLACK RX」を名乗り、クライシス帝国との戦いに身を投じていく。

白鳥玲子(演:高野槇じゅん)

フリーカメラマンの20歳の女性で光太郎のガールフレンド兼仕事仲間。明朗闊達な性格で、佐原家とも仲が良い。空手の有段者でもある。

第29話で光太郎の正体を知り、以降は空手の腕前を武器に積極的に戦いに身を投じ、光太郎をサポートした。

佐原俊吉(演:赤塚真人)

光太郎が働く佐原航空の社長で、光太郎の伯父でもある。ボロボロの姿で自分の前に現れた光太郎を保護し、家族の一員として迎え入れた。社長ではあるが、婿養子であるうえに性格的に気弱な面もあって、家庭内では妻の唄子に頭が上がらない。

第46話で、子供達を守って妻と共にジャークミドラに殺害される。

佐原唄子(演:鶴間エリ)

俊吉の妻。夫と共に光太郎を家に迎え、その立ち直りを支える。基本的に情の深い人物ではあるのだが、家族、特に子供達の身を案じるあまり、不思議な事件を呼び寄せる光太郎に冷たく当たることもあった。

第46話で、俊吉と共にジャークミドラに殺害される。

佐原茂(演:井上豪)

俊吉と唄子の第一子。光太郎を兄のように慕う小学五年生。たびたびクライシスがらみの事件に巻き込まれており、怪魔界でのひとみ誘拐事件を経て光太郎がRXであることを知るに至った。

佐原ひとみ(演:井村翔子)

俊吉と唄子の第二子。小学一年生。茂よりもしっかり者の一面もあるが、年齢もあってかやや口の軽いのが玉に瑕。

クライシス皇帝の娘、ガロニア姫に容姿が似ており、ガロニアが事故死した事実を隠蔽しようとしたマリバロンらによって、替え玉として怪魔界へ連れ去られる。その事件を経て、兄の茂と共に、光太郎がRXであることを知る。

霞のジョー(演:小山力也)

第15話より登場。かつてクライシスによって怪魔界に拉致された地球人で、改造手術により過去の記憶を失っている。怪魔ロボットにコントロールされた状態で、怪魔界入りした光太郎に暗殺目的で近づくが、洗脳が解けて以降は共にクライシス帝国と戦う光太郎の同志となった。

第26話でボスガンに重傷を負わされ戦線を離脱するが、第37話で復帰する。

的場響子(演:上野めぐみ)

第29話より登場。女子中学生。怪魔異生獣に殺された両親の仇を取るために、特訓の末水を操る超能力に開眼し、クライシスに立ち向かった。

第38話で正式に光太郎の仲間として戦線に加わる。その際には、前述の超能力に加え、アーチェリーの技術も身につけていた。

ジャーク(演:高橋利道、声:加藤精三/柴田秀勝)

クライシス帝国地球攻撃兵団最高司令官。地球攻撃兵団の司令部でもあるクライス要塞に常駐し、四大隊長を配下に攻撃兵団の指揮を執る。部下からは「将軍」の敬称で呼ばれる。

クライシスの手先ではあるが、司令官としては有能かつ公正な人物。武人としても名を馳せており、複数人の仮面ライダーを相手に圧倒するほどの戦闘力を持つ。

度重なる作戦の失敗から皇帝の怒りを買い、第46話にて「最強怪人ジャークミドラ」として最後のチャンスを与えられるも、RXの前に敗れ去った。

ボスガン(演:藤木義勝 声:飯塚庄三)

地球攻撃兵団の怪魔獣人大隊を率いる海兵隊長。怪魔界一の剣の使い手。クライシス貴族の出身であり、生粋のクライシス人でないゲドリアンや、ロボットであるガテゾーンのことは基本的に見下している。

野心家であり、表面上はジャークに忠誠を誓っているものの、その地位に取って代わる機会を虎視眈々と狙っている。

第45話でRXに一騎打ちを挑み、返り討ちにされる。

マリバロン(演:高畑淳子)

怪魔妖族大隊を率いる諜報参謀。妖術の使い手。ボスガン同様クライシス貴族の出身であるが、ボスガンほどの特権意識はなく、ガテゾーンなどとも比較的仲が良くしばしば共同戦線を張る。また、帝国やジャークへの忠誠心も強く、そのため四大隊長の中ではジャークからの信頼が最も厚い。

第47話でジャークの仇である光太郎を懐柔しようとしたクライシス皇帝に反発して光太郎を殺そうとしたため、反逆者として皇帝に処刑される。

ガテゾーン(演:北村隆幸、声:高橋利道)

怪魔ロボット大隊を率いる機甲隊長。彼自身もロボットであり、その出自は不明。自分の腕前、技術を発揮することに重きを置いており、地位や名誉にあまり興味を示さない。ジャークへの忠誠心はあるが、自身の技術力を証明するためにジャークの命令に背くこともあった。最後も、ジャークに背いてダスマダーと組んでまで、最強の怪魔ロボット・ヘルガデムとともにRXに挑むも、敗れ去った。

ゲドリアン(演:渡辺実、声:新井一典)

怪魔異生獣大隊を率いる牙隊長。怪魔界の辺境の出身であり、生粋のクライシス人ではない。そのため隊長として取り立てたたジャークに強い恩義を抱いている。

第42話でジャークと他の隊長達に裏切られ、地球征服計画の遅れに業を煮やしたクライシス皇帝への事実上の生け贄として抹殺されるも生き残り、自身の分身であるゲドルリドルに自分を媒介としてクライス要塞のエネルギーを送り込んでRXを倒すという捨て身の行為に出るも、ゲドルリドルはRXに破れ、本人も消滅。四大隊長最初の戦死者となった。

ダスマダー(演:松井哲也)

クライシス皇帝の代理人として地球攻撃兵団に派遣された査察官。階級は大佐。皇帝代理人として、ジャークや四大隊長の失敗を厳しく咎め、ときには侮辱的な言動も吐くため、基本的にはジャークおよび四大隊長とは反目関係にある。

ジャークとは別枠で地球攻撃作戦を遂行することもあり、その際はガテゾーンなど四大隊長を懐柔して作戦に参加させることもある。

その正体はクライシス皇帝の分身。

クライシス皇帝(声:納谷悟朗)

怪魔界に50億の人口を抱えるクライシス帝国の支配者。滅び行く怪魔界の住人の移住先として地球を選び、ジャークを司令官とした攻撃兵団を派遣し、地球征服を目論む。

地球攻撃計画の進捗が悪いと見ると、自分の分身(ダスマダー)を査察官として派遣し、現場に介入するが、10人ライダーの参戦、ジャークと四大隊長の戦死を経て、最後はRXとの戦いに敗れ、散った。

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