Keyword:改造人間

「仮面ライダーとは改造人間である」

のっけから「改造人間」などと耳慣れぬ言葉が登場しましたね。しかし、これこそが昭和仮面ライダーを語る上で外すことのできない最重要キーワードと言って良いでしょう。

いったい改造人間とは何なのでしょうか。

もう少し一般的に知られている言葉で置き換えれば、「サイボーグ」ということになるでしょう。彼らは生身ではなく、普通の人間が超科学の力で肉体を改造された強化人間なのです。

平成仮面ライダーの多くは、変身前は普通の人間ですが、昭和仮面ライダー達はそうではありません。改造人間であるが故に、変身前でも常人離れした肉体能力を持っていたりします。仮面ライダー1号こと本郷猛は素手で水道の蛇口を軽々と引きちぎります。仮面ライダーBLACKこと南光太郎は、常人ならば瞬時に黒焦げになるであろう電流に耐えますし、さらにはガラス瓶も素手で握りつぶします。

彼らが改造人間であるという特性は、変身のメカニズムにも違いをもたらしています。

普段は普通の人間である平成仮面ライダー達の変身は、ほとんどはアイテムの力によるものです。変身者は普通の人間であり、それが特殊な力を持ったアイテムを使うことで変身する。しかし、改造人間である昭和仮面ライダー達は、変身を自分自身の特殊能力として備えており、アイテムに頼る必要はありません。

このように、彼ら昭和仮面ライダーは、人間でありながら、人間ではないという不安定な立ち位置にあります。その事実が、彼らに独特のたたずまいを持たせています。

次回は、そのあたりにもう少し斬り込んでいきます。