よみがえるコブラ男(『仮面ライダー』第10話)

あらすじ

ショッカーは引き続き大蔵省の金強奪を画策し、そのために仮面ライダーに敗死したコブラ男の修復を画策する。そのために、町外れの姉小路生物研究所で、犬猫を高価買い取りで募集し、犬猫はコブラ男再生の素材にし、持ち込んだ人は戦闘員へ改造していた。犬猫を持ち込んだ人々の失踪を調査していた古賀刑事もとらわれの身となる。

謎の女性姉小路律子の手によって復活したコブラ男の実験台として処刑されかかった古賀刑事だったが、仮面ライダーの妨害に遭う。古賀刑事は藤兵衛に助け出され、姉小路はライダーとコブラ男の戦いの巻き添えで、顔面にやけどを負い撤退。

アジトへ逃げ帰った姉小路は顔にやけどを負った怒りをコブラ男にぶつけるが、ショッカー首領はその姉小路を用済みとして逆にコブラ男に処刑させる。

大蔵省から船便で国外へ運び出される金の強奪に成功したコブラ男一味だが、アジトに金を運び込もうとしたところに仮面ライダーが現れる。

解説

謎の女性・姉小路律子

冒頭から登場した怪しげな女性、姉小路。コブラ男の「修復」を担当する彼女のショッカーでの地位はどうも曖昧です。戦闘員というわけでもなさそうですし、科学班の人間かというとそんな感じでもない。おそらく、元々はショッカーとは関係の無い生物学者だったのが、コブラ男修復のためだけにショッカーに取り込まれたと想像します。

この姉小路を演じる女優さんは、なかなかの美人さん。ショッカーとして活動するときの黒いレオタードに網タイツ姿は実にセクシーでたまりません(笑)。

その姉小路が運営している生物研究所で、犬猫を高価で買い取るという募集が行われていますが、こんなこと現在だったら絶対できないでしょうね。間違いなく動物愛護団体が発狂します。

やっぱりイマイチなコブラ男

復活したコブラ男。復活前との違いは、頭にヒレのような装飾が追加されていることと、主武装が口から噴射する炎に変わったこと。だがこの炎の精度がどうもよろしくない。実験台となった古賀刑事を処刑しきれないばかりか、仮面ライダーとの戦闘中に姉小路を炎に巻き込んでしまう有様です(直後に姉小路が処刑されたのを見ると、わざとそうした可能性もありますが…)。

ところで、古賀刑事。この人は藤兵衛や猛とは旧知の間柄のようです。しかし、猛がショッカーの存在を訴えて金の輸送を中止するよう訴えても、首をかしげるだけで信じようとしない(いち刑事でしかない古賀に中止するような権限があるとも思えませんが)。ショッカーの存在を知っているのは自分だけで、一人で孤独に戦い続けなければならない仮面ライダーの悲哀が演出されています。

その古賀刑事、最後には警視総監賞を受賞したような事が言われてましたが、金はまんまとショッカーに強奪されたばかりか、輸送船は爆破沈没。残念ながら輸送警備という職務を全うできたようには見えません。最後になってもショッカーの存在を認識していないところを見ると、ショッカーから金を奪還したというわけでもなさげ。でも警視総監賞。

仮面ライダーが、奪還してどこかに置き去りにした金を古賀刑事が発見するように仕向けでもしたんですかね?

脚本:山崎久
監督:山田稔

第9話「恐怖コブラ男」第11話「吸血怪人ゲバコンドル」
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