恐怖のあり地獄(『仮面ライダー』第26話)

あらすじ

ショッカー首領は征服計画が遅れている日本へ、中近東支部長のゾル大佐を指揮官として着任させた。ゾル大佐は改造人間・地獄サンダーに東京周辺の幹線道路を次々と陥没させ、東京への交通を遮断する一方、ショッカーに敵対する一文字隼人ら立花レーシングクラブの内部からの攪乱を図る。

滝に変装したゾル大佐はその姿で警官を襲い、滝を逮捕へ追い込むことに成功した。さらに、その姿のまま立花レーシングクラブに入り込み、隼人に接近。隼人がうたた寝している最中にそのバイクに時限爆弾を仕掛けようとするが、滝は既にFBIのルートで釈放されており、変装は隼人に露見していた。

変装を見破られたゾル大佐は真の姿を見せ、改めて二人に自己紹介、隼人と滝を軽くあしらいその場を去る。バイクに乗ってこれを追う隼人だったが、地獄サンダーに妨害される。隼人は仮面ライダーに変身し、地獄サンダーに挑みかかった。

解説

ゾル大佐登場

いよいよ初代日本支部大幹部、ゾル大佐の登場です。ゾル大佐は元々ナチスドイツの軍属だったという設定で、普段は軍服姿です。後に大幹部として登場する死神博士はいかにも怪しげなマッドサイエンティストという風ですし、地獄大使は見ようによってはコミカルなコスプレのオッサンです。世界征服を目指すテロ組織の幹部としてはゾル大佐の姿が一番スッキリしますね。

それにしても重要なキャラクター初登場の回なのに、エピソードタイトルに全くそれを臭わせるものがありません。これは死神博士や地獄大使の時も同様ではありますが、「仮面ライダー」特有な気がします。次作「仮面ライダーV3」以降では、割と新たな幹部の登場はエピソードタイトルになるんですけどね。

ツッコミどころしか無い…

滝和也がゾル大佐の陰謀で警察に捕まった際、隼人やユリ達が拘置所を訪れて面会を求めますが、拒否されるシーン。しつこく迫る隼人達に警官が「殺人犯の一味と見做すぞ!!」と追い払われるのですが…

いつ滝が殺人犯になったんだよ!?

滝に変装したゾル大佐がやったことは、せいぜい公務執行妨害と傷害です。よほど大げさに解釈すれば殺人未遂と取れないこともありませんが、さすがに無理があるでしょう。

そして追い返されたユリがボソッとひと言。「滝さん死刑になっちゃうのかしら

公務執行妨害と傷害程度の罪状で死刑になるわけないだろ!!!

さらに逮捕された滝はFBIが手を回して釈放されることになるのですが…

アメリカ国内の治安維持機関であるFBIにそんな権限あるわけ無いでしょ!!!

なんか色々めちゃくちゃですわ、この人たち….

そういえば、今回ユリが隼人や滝と一緒にバイクを乗り回してましたね。立花レーシングクラブ入りしたときは、空手有段というだけで特にバイク経験ないと言ってましたが、さすがに免許取ったんですかね? ちなみにこの当時は、普通自動車の免許でバイクも運転できたらしいですね。

ちなみに、一文字隼人役の佐々木剛は実は免許を持ってなかったそうです。なので、隼人がバイクを乗るシーンは、不自然なアップが多かったりします。

脚本:伊上勝
監督:折田至

第25話「キノコモルグを倒せ!」第27話「ムカデラス怪人教室」
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