電気怪人クラゲダール(『仮面ライダー』第29話)

あらすじ

鷲ヶ崎灯台で飼い犬を探し回っていたコウタ少年は、偶然クラゲの化け物が人間を襲っている現場に遭遇する。警官や友達に話しても信じてもらえなかったコウタは、兄のカメラを持ち出して写真撮影を試みる。途中でショッカー戦闘員に見つかり、クラゲの化け物 – 改造人間クラゲダールに襲われるが、クラゲダールは何故かカメラもコウタも意図的に放置してその場を去る。

コウタが撮影した写真は新聞記事になったが、あくまでトリック写真という扱いだった。しかし、そこに写っている怪人がショッカーではと睨んだ滝と隼人は、コウタの元を訪問、彼の案内で鷲ヶ崎灯台へと向かった。その途上で、クラゲダール率いる一団に襲われる隼人達。隼人は仮面ライダーに変身しこれを撃退する。

クラゲダールは隼人をおびき出すためにコウタの母親を誘拐、立花レーシングクラブに脅迫状を送りつける。子供の母親を誘拐する卑劣なショッカーに怒りを露わにし、現地へ駆けつける滝と隼人。

二人は無事にコウタの母親を助け出せるのであろうか。

解説

二兎を追う者は…

あらすじには書きませんでしたが、ショッカーの今回の計画は、誘拐した人間達の中から5000ボルトの電圧に耐える人間を選りすぐって、触れただけで人を殺せる電気人間に改造し、日本の要人を次々と殺害するというものでした。行方不明になった数人の村人が、耐電圧実験の犠牲になっています。

なぜこれをあらすじに書かなかったのかというと、ストーリーの本流ではないと判断したからですね。クラゲダールがコウタを襲っておきながら、自分が撮影されたカメラを回収もせずコウタ共々放置したのは、仮面ライダーをおびき寄せる目的だったのは明らかです。コウタの母親を誘拐したのもそれが目的だとゾル大佐自身が言ってます。

…よく思うんですが、テロを実行するのか、仮面ライダーを始末するのか、作戦をどっちかに絞ったらどうなんですかね?

蛇足ですが、誘拐したコウタの母親を耐電圧実験の台にくくりつけているので電圧実験にかけるのかと思えば、「こいつで仮面ライダーをおびき寄せて始末する」と言いだし、次の瞬間には灯台の草原の処刑台に貼り付けてます。実験台にくくりつけた意味なくね?

悪運強い

最後のナレーション。「悪運強いゾル大佐は、またも日本を狙っている」…悪運強い? ゾル大佐の初登場以来、悪運の強さが見える場面なんてありましたっけ? …いや、待てよ?そもそも「悪運強い」って本来どういう意味なんだ?

というわけで調べてみたのですが、

「悪運強い」と言う言葉の意味、私の理解では、アクシデントやハプニングが起きても無事でいられる強運のことだと思ってました。私と同じように理解していた人は意外と多いのでは。

が、本来の意味は違っていました。「悪運が強い」とは、悪事を働いても報いを受けることなく栄えることを指すらしいです。

栄えているかどうかはともかく、悪事を働いても報いを受けてないという点では、確かにゾル大佐は悪運が強いと言えますね。

脚本:滝沢真里
監督:田口勝彦

第28話「地底怪人モグラング」第30話「よみがえる化石 吸血三葉虫」
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