殺人女王蟻アリキメデス(『仮面ライダー』第35話)

あらすじ

ショッカーは、アリの卵から女王アリの改造人間・アリキメデスを生み出すことに成功した。

早速アリキメデスの能力をテストすべく、東南銀行を襲撃を敢行。その結果に満足したゾル大佐は、郊外の館に秘密の研究施設を構え、女王アリの改造人間を量産して日本各地に送り込み、女王アリ配下の殺人アリに日本を食い尽くさせる計画を企てていた。

滝と隼人は、その郊外の館から怪電波をキャッチし、戦闘員に化けて館に潜入。研究室から謎の卵を持ち出したが、これこそが女王アリの卵だった。隼人は滝に卵を預け、ライダーに変身して追ってきたアリキメデスと対峙するも、アリキメデスの蟻酸をまともに食らってしまい、ダム湖へと落ちてしまった。

ライダーは撃退したものの、作戦に肝心な卵を奪われゾル大佐は激怒。アリキメデスに卵の奪還を厳命する。

アリキメデスは隼人の不在を狙って、滝が卵を持ち込んだ立花レーシングクラブを襲撃する。アリキメデスが使役する殺人アリに殺到され、絶体絶命の藤兵衛たち。隼人はライダーに変身し、サイクロンに乗って救出へと急ぐが…

解説

なんというか、まずアリキメデスというネーミングセンスからしてちょっとね…当然、古代ギリシャの哲学者アルキメデスをもじったわけですけども、ベタベタのオヤジギャグじゃないですか。

そもそも、このアリキメデス、アリの卵から改造人間を作ることに成功した、との触れ込みですけども…改造人間って言うの?それ。…人間どこにいるの?

で、その能力の実験とばかりに東南銀行を襲撃するんですが、金属をも溶かす蟻酸で金庫破りを見事成功させるものの、金を奪うでもなく、警備員二人を殺して、金庫を蟻酸でカネもろとも燃やしてしまいます。

…てっきりカネが欲しくて銀行を襲ったと思ったんですがねぇ…。金属を溶かす、人間を溶かすくらいの実験がしたいなら、ショッカーの基地内でもできることですよねぇ…

あと、この蟻酸も、実際に金属も人間も溶かしてしまう威力を誇りますが、こいつがライダーには全く通用しない。一度は蟻酸を直撃させて苦しむライダーをダム湖にたたき落とすことに成功しますが、直後に立花レーシングクラブに現れた隼人はまったくピンピンしています。

最後のバトルでも再び蟻酸を直撃させますが、少しは苦しむ様子を見せるものの、ちょっと時間をおくとまるで何事も無かったかのように平然と動き回ってる。

ゾル大佐には怒られるし、アリキメデス、まるでいいところナシですね…

ちなみに蟻酸とはその名の通り、一部の種類のアリが体内に持つ酸性の液体ですね。現在では人工的に合成することも可能です。

あと、アリキメデスが立花レーシングクラブを襲撃した際、藤兵衛は卵にガソリンかけて燃やそうとしますが…それ、普通に火事になると思いますよ?

脚本:伊上勝
監督:田口勝彦

第34話「日本危うし!ガマギラーの侵入 」第36話「いきかえったミイラ怪人エジプタス」
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