怪奇フクロウ男の殺人レントゲン(『仮面ライダー』第60話)

あらすじ

ショッカーの計画する「大時計爆発計画」。それは。全国各地にある大時計を12時に一斉に爆発させることで、小さな時計を連鎖的に次々と爆発させるという恐ろしい計画だった。各地の大時計に起爆機能付きの受信装置を仕込み、フクロウ男の持つ殺人レントゲン光線を起爆エネルギー電波に変換して流すことで、それを実現しようとしていた。

フクロウ男は殺人レントゲン光線の実験台として、テニスコーチの田代を標的にし、レントゲン光線で白骨化させた。しかし、その現場を田代の生徒である二人の女子高生に目撃される。追跡して、一人は捕らえるが、もう一人は見失ってしまう。そももう一人は、通りかかった猛に助けを求めた。

猛は現場の白骨化した遺体と、田代の主治医から入手したレントゲン写真を照合し、白骨が間違いなく田代のものであることと、白骨が検出された放射線反応から、強力なレントゲン光線で殺害されたことを突き止める。

翌朝、猛と滝はガイガーカウンターを手に探索中のところを、フクロウ男と戦闘員の一団に襲われた。ライダーに変身して応戦するも、激しい攻防の末、戦闘員にロープで動きを拘束され、身動き取れなくなったところに殺人レントゲン光線をモロに浴びてしまった。滝に救出され、辛うじてフクロウ男を退けるも、大ダメージを負ってしまった。

命からがらTRCに戻ってみると、五郎が「花時計の側に骸骨が立っていた」という目撃情報をもたらす。昨晩、フクロウ男は花時計に受信装置を仕込みに訪れ、その際に目撃された警察官を殺害していたのだった。

猛は藤兵衛とともに再びガイガーカウンターを手に花時計周辺を調査に向かい、ショッカーのアジトらしき建物を発見した。見回りの戦闘員を捕らえてTRCに連れ帰り、計画を聞き出そうとする二人だったが、戦闘員は口封じに遭い殺されてしまう。しかし、死ぬ直前にダイイングメッセージを残した。花時計で12時に何かが起こると読み取った猛は、花時計の機械室を調べ、受信装置を発見して解除した。

ショッカーの計画が全国の大時計を破壊にあると見抜いた猛は、12時に間に合うよう滝とともにアジトへ急行。途中の戦闘員の妨害を強行突破し、12時直前数秒前にアジトに突入。爆破計画を阻止した。

激怒する地獄大使はライダー抹殺を厳命して姿を消す。ライダーとフクロウ男の戦い。戦闘員達を次々と蹴散らし、フクロウ男のレントゲン光線もかわしたライダーは、ライダーハンマーからのライダーキックを浴びせて、フクロウ男を撃破した。

解説

大時計爆発計画。意味わかった方っていますかね? あらすじで「恐ろしい計画」とか書いておいてなんですが、私にはサッパリ理解できません。太陽が地表に最も近づく12時に全国各地の大時計を爆発させると、なんで小さな時計まで連鎖爆発を起こすんですか。いったいどういう理屈でありますか?

で、その作戦が失敗した一因は、フクロウ男が殺害した人間の白骨死体を放置したことにあると思いますね。最初のテニスコーチはまあ状況的に仕方ないかもしれませんが、二人目の警察官については白骨死体を始末するくらいの余裕はあったでしょう。これを放置しておいたものだから、五郎を通じて情報が猛の耳に入り、作戦失敗につながったと言っても過言ではないでしょう。

また、今回は本郷猛がショッカー首領ばりの千里眼を発揮します。白骨死体の状況から、強力なレントゲン光線で殺害されたとズバリ言い当てるばかりか、花時計に仕組まれた受信装置から、花時計だけでなく全国の大時計を爆破する計画であることまで見抜いてしまう本郷猛。尋常な洞察力じゃありません。これがIQ600の大天才の真価なのか。ゴルゴムの悪事に対して異様な嗅覚を持つ仮面ライダーBLACKこと南光太郎も、裸足で逃げ出すレベルです。

個人的に今回一番ツボったのが、アジトで捕らえてきた戦闘員から情報を引き出そうとする猛が、妙に下手に出ていること。

「言ってくれ、今度は何を企んでいるんだ。頼む、言ってくれ、な?」

当然、戦闘員は口封じに殺されるのですが、そんな猛にほだされたのか、ダイイングメッセージを残してくれたので、下手に出たのも無駄ではなかったのでしょうw

脚本:滝沢真里
監督:内田一作

第59話「底なし沼の怪人ミミズ男」第61話「怪人ナマズギラーの電気地獄」
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