怪人昆虫博士とショッカースクール(『仮面ライダー』第65話)

あらすじ

地獄大使は、次の世代を担う子供達をショッカーの構成員に仕立て、労せずして世界征服を達成するという遠大な計画のもと、ショッカースクールを創設。その1期生として、遊園地で「仮面ライダーと一緒にカブトムシを捕ろう」という誘い文句で子供達をバスで誘拐。怪人カブトロングの吐く特殊な体液で子供達を洗脳状態にし、ショッカースクールに迎え入れた。

そのバスに乗ることができなかったコウイチ少年から、仮面ライダーの名を騙って子供達を連れ去ったバスのことを聞いて不信感を抱いた猛は、滝とともに調査を開始する。

猛達は誘拐を疑っていたが、子供達は乗ったバスで遊園地に戻ってきた。が、コウイチ一人をよってたかって害しようとするなど、明らかに様子がおかしかった。

そんな子供達の様子見を滝に任せ、猛はバスの方を尾行していた。尾行に気づき、運転席から逃走した運転手を捕まえて尋問するが、運転手は改造人間カブトロングを名乗る声に口を封じられてしまう。

カブトロングの声に誘われるままバスに乗り込む猛だったが、逆にバスの中に閉じ込められてしまう。猛を閉じ込めたバスは勝手に走行し、線路の上で止まる。バズーカ砲も跳ね飛ばす強度で作られたバスから脱出することは叶わない。このままでは、走ってくる電車が衝突して大惨事になる。

猛は仮面ライダーに変身。パンチで窓を突き破ってバスを脱出し、バスを線路から押し出そうとするが、それを妨害しようとするカブトロングと押し合いになる。辛うじて押し合いに勝ち、大惨事は免れたが、カブトロングと戦闘員達との戦いの間に、滝がカブトロングに捕まり攫われてしまった。

滝の救出のため、猛達は一計を案じる。ショッカースクールに招集されバスに乗り込む子供達の中に、発振器を持たせた五郎を紛れ込ませ、アジトの位置を高尾山と特定。藤兵衛と猛が急ぎ現地へ急行する。

攫われた滝は、ショッカースクールの卒業試験の教材として、子供達に殺害されようとしていた。卒業試験として今まさに殺害が決行されようとしているところに、仮面ライダーが登場。ライダーは藤兵衛と助け出した滝に子供達を任せて、カブトロングを追いかける。が、ショッカーに洗脳されている子供達に手を出せない滝達はじりじりと崖に追い詰められていく。

ライダーは高尾山のリフトや吊り橋上で戦闘員、カブトロングと激闘。「無敵の改造人間」を自称するカブトロングのタフさに手こずるライダーだったが、吊り橋上でライダーキックの直撃を食らわせてたたき落とし、無事勝利した。

カブトロングが倒れたことで子供達も無事元に戻り、猛達の見守られて父母の元へと帰っていった。

解説

昆虫博士だの、無敵の改造人間だの、色々な通称や自称を持つカブトロングでありますが、「昆虫博士」と呼ばれるような実績は少なくとも本エピソード中ではなにもありませんね。どちらかというと、ショッカースクール教官としてのコードネーム的に使われている感じ。

無敵の改造人間を自称するだけのことはあり、最後の戦いではかなり長時間にわたる大立ち回りを演じて見せますが、正直言えば時間が長いだけで特別手強さみたいな物は感じられませんでしたね。とくにライダーを追い込んで見せたわけでもないですし。ただ、Aパートの前哨戦ではそれなりに猛にダメージを与えていたようで、滝を攫われた猛は這々の体でレーシングクラブに戻ってくるのですが、正直、そこまで大ダメージを受けているようには見えませんでしたけどね。

高尾山のリフトにぶら下がったり飛び乗ったり、柱から飛びついたりなどといった、よい子は絶対真似しちゃダメ! なアクションが繰り広げられますが、リフトの上からできるアクションなんて限られているわけで、物珍しさはあるものの、アクションとしてはいまいち間延び感があるのは否めません。

あと、「ドアもガラスも、バズーカ砲を食らってもびくともしない」とカブトロングが自賛する頑強さを誇るバスに猛を閉じ込めて、電車を衝突させようとしたところまではいいんですが、猛がライダーに変身してライダーパンチをカマすといとも簡単にぶち破られてしまうガラス。思わず「おいっ!」と口を突いて出てしまいましたよ。ライダーの性能くらい計算に入れてけよ…

地獄大使が提唱するショッカースクールは、以前ゾル大佐が結成しようとしたジュニアショッカーの焼き直し感がありますね。もっともジュニアショッカーは、「まさか子供が…」という世間の盲点を突いて子供にテロリストとして直接的な破壊工作を実行させることを目指してましたが、ショッカースクールは次の世代を担う子供達を全員ショッカーの構成員に仕立て上げ、労せずして世界征服を成し遂げるという、あまりにも遠大すぎる計画。両幹部の性格の違いが現れていると言えるかも知れません。

さて、今回を最後に、五郎役の三浦康晴は番組降板と相成るのですが、とくに五郎最後の登場とほのめかすような演出はありません。三浦康晴側が中学進学に伴い、芸能活動を土曜日のみに限定したことによるもので、スタッフも最後まで再出演を模索したものの、結局実現しなかったようです。

今回も、ショッカースクールのバスに潜り込んだ五郎が、不安そうに発振器をいじるシーンは、うまく表情を作ってるなぁと思って見ていました。

今後、五郎が担っていた役回りは、第62話から登場したナオキとミツルに取って代わられていくことになります。

脚本:伊上勝
監督:内田一作

第64話「怪人セミミンガ皆殺しのうた!」第66話「ショッカー墓場 よみがえる怪人たち」
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