あらすじ
怪人アキレスを打倒するため、藤兵衛を相手に特訓を続ける敬介。
「冷静になって、相手の弱点を考えてみろ!」
藤兵衛のアドバイスで、新技のヒントを掴んだXライダーだったが、完成させるまでには至らなかった。
その特訓を遠目で見守っていたアポロガイストの忠告に激高し、総司令の命令を無視してXライダー打倒に向かうアキレス。アポロガイストは総司令に、人間ロボット作戦にアキレスは不向きだと報告。総司令は、人間ロボットを破壊工作員に仕立てて日本全土で破壊活動を行う第二作戦の準備を指示した。
アキレスは既に人間ロボットと化したミキを通じて、敬介を大井埠頭に呼び出し決闘を挑むが、未完成の必殺技「X二段キック」を弱点の踵に食らい、戦闘不能となる。ドリームビールスの解毒液をXライダーに奪われた上、「GOD秘密警察 第一室長」の身分を明かしたアポロガイストに処刑されてしまった。
アキレスに代わり、戦闘工作員養成所所長の怪人プロメテスが、人間ロボット達の破壊活動訓練を行い、破壊工作員に仕立て上げた。ミキが正気に戻ったことから、Xライダーが村にやってくると睨んだアポロガイストは工作員達の村退去を指示。しかし、プロメテスは指示に従わず、乗り込んできた敬介を、工作員と化した村人達をけしかけて、これを捕らえた。
アポロガイストの驚く顔を見ようと、彼を呼びに行くプロメテス。しかし、アポロガイストはプロメテスの独断専行を一喝し、「今頃村人達はXライダーに救出されている頃だ」と、相手にせず立ち去った。
実際、敬介は気絶したフリをしていただけであり、プロメテスが不在の間に、藤兵衛と協力して村人達の解毒と避難を済ませてしまっていた。起こるプロメテスとセットアップしたXライダーの戦い。ナパーム爆弾でXライダーを苦しめるが、地中を移動中にXキックを食らって爆死。
人間ロボット計画はここに完全に潰え、ミキの家族、そして山村には平和が戻ったのであった。
解説
「敵ながらいい根性をしている。さすがだXライダー。あのアキレスも、今度戦えば危ないかも知れない」
これはアポロガイストの台詞ですが、このような「敵ながら天晴れ」的に、ライダーに対してある種のリスペクトを持っている大幹部は初めてでしょう。他を探しても『ストロンガー』のジェネラルシャドウくらいかと思います。アポロガイストとジェネラルシャドウに共通しているのは、ただの「悪の大幹部」ではなく、主人公のライバル的な位置づけにあることですね。
今回はタイトル通り、実質的なアポロガイストのお披露目回と言ってもいいでしょう。アポロガイストというキャラクターの魅力がぎゅっと凝縮されている感じです。「GOD秘密警察 第一室長」というその身分も、今回初めて明かされます。
打田康比古の演技は佇まいも堂々としていて、声もドスの利いた低音で威厳と迫力があり、まさにアポロガイストというキャラには、はまり役だと思いますね。
敬介を捕らえたと報告に来たプロメテスを一喝し、「今頃村人達はXライダーに救出されている頃だ」と呆れたように吐き捨てて立ち去っていくシーンは、個人的にはアポロガイストというキャラクターを象徴するシーンだと思っていて、大好きですね。
脚本:伊上勝
監督:内田一作