ミサイルを背負ったヤモリ怪人!(『仮面ライダーV3』第16話)

あらすじ

原因不明の旅客機爆発事故。その裏にあったのはやはりデストロンの存在だった。改造人間・ミサイルヤモリが、ロケットミサイルで旅客機を撃ち落としたのが真相だった。事件の現場となった海岸で一部始終を目撃していた二人の釣り人のうち、一人は殺され、もう一人は海に転落し漂流の末、漁船に救助された。

目撃者が生き残っていると知ったドクトルGはミサイルヤモリの失態を責め、始末を厳命する。少年ライダー隊員でもあった漁船の漁師の孫・三郎の通報を受けて志郎が駆けつけたが、ミサイルヤモリを退け目撃者の男は救出できたものの、三郎と祖父の漁師はデストロンに攫われ行方知れずとなってしまう。

デストロンに捕らわれた三郎と漁師の前にドクトルGが現れ、デストロンの秘密を知った二人に死を宣告する。死刑執行は、川崎の石油コンビナートをミサイルヤモリのミサイルで爆破する「D18計画」の直後と告げられた。が、このD18計画の内容は三郎から通信で志郎へと伝わってしまった。

計画が露見した事で、ドクトルGは計画の即時決行を決断。志郎は藤兵衛にD18計画について伝えた後、川崎へ急行するが、デストロンの妨害に遭う。その間、ミサイルヤモリが三郎達の見ている前でコンビナートへ向けてミサイルを発射しようとするが、すんでの所で乱入した藤兵衛がミサイルヤモリに体当たりしたため、ミサイルは目標を逸れてしまう。

一方、志郎は戦闘員達の妨害をかいくぐり、V3に変身してハリケーンのスピードでどうにか現地に間に合った。藤兵衛と三郎達を助け出し、ミサイルヤモリに挑みかかるV3。破壊力のあるミサイルに苦戦しつつも、ミサイルの撃ちにくい接近戦に持ち込み、最後は「V3回転フルキック」を浴びせてミサイルヤモリを撃破した。

かくして、デストロンの石油コンビナート爆破計画は阻止された。

解説

ミサイルヤモリはKYさんですかね。目撃者を一人取り逃がし、必ず始末しろとドクトルGに厳命されたものの、V3に邪魔されてあっさり撤退。それで悪びれるでも無く堂々とアジトに戻ってくる図々しさ。ドクトルGが激怒してどつき倒してましたが、そらドクトルGでなくても怒るわ。

デストロンの機械合成怪人というと、どちらかというとハサミだのテレビだのナイフだの、割と日常的な道具のモチーフが多い一方で、バズーカ砲やマシンガンみたいなえらく物騒な武器を持った奴がたまにいますが、このミサイルヤモリもそういう意味ではかなり物騒な奴と言えます。なにしろ、ロケットミサイルで旅客機を撃墜してしまうくらいですからね。さらには腕には小型ミサイルも完備していて地上戦もバッチリ…かと思いきや、接近戦になるとミサイルが撃てないという弱点を露呈。無理に打てば爆発に自分も巻き込まれるってことでしょうね。

さて、今回のデストロンの作戦失敗、最大の戦犯はドクトルGでしょうね。三郎達を処刑するに当たって、川崎のコンビナートを爆破するというD18計画の全容をベラベラと喋ってしまったのが間違いなく敗因でしょう。たまたま三郎がライダー隊員だったがために、計画がすべて志郎に伝わってしまうという大失態。今回何度もミサイルヤモリの不手際を責めているドクトルGですが、アンタの方が罪が重いよ、絶対。

脚本:鈴木生朗
監督:塚田正煕

第15話「ライダーV3 死の弱点!!」第17話「デビルスプレーは死神の武器」
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