あらすじ
ショッカーライダーとハエトリバチに追い詰められた仮面ライダーは、最後のあがきでハエトリバチを道連れにして海の藻屑と消えた。ショッカーライダーは引き続き本物のフリを続け、その場に現れた藤兵衛と滝に、改造人間エイドクガーが用意した、偽のデータテープを手渡した。
偽のデータテープには殺人音波が仕込まれており、これでアンチショッカー同盟を壊滅に追い込む作戦だったが、エイドクガーが持ち帰った「本物」をゲルショッカーで解析したところ、実はダミーテープであり、本物は別途日本に持ち込まれることがわかった。首領は方針を変更してアンチショッカー同盟壊滅を中止し、本物のデータテープ回収をブラック将軍に指示した。
本物のデータテープを南米のアンチショッカー同盟より運搬してきたのは、一文字隼人だった。テープが入ったトランクを小暮に引き渡すのを横から預かる体で手を出してきたライダーに、隼人は違和感を抱く。「ライダー、いつからそのマフラーに?」
かくしてショッカーライダーの正体は露見した。データテープを強奪し、ショッカーサイクロンで逃走するショッカーライダーを、変身した隼人が同じくサイクロンで追う。激しいもみ合いの末、2人は揃って路肩から転落。2号ライダーがテープを回収した。
しかしその頃、少年ライダー隊本部には新しいショッカーライダーの個体が潜入し、エイドクガーとともにユリ達ライダー隊本部の一同を人質として誘拐。猛が戻ってきたものの、ハエトリバチとの戦いで負傷を負っていた彼は精彩を欠き、エイドクガーとショッカーライダー2号の前に敗れ去り、誘拐を阻止することはできなかった。
藤兵衛達が戻ってきたライダー隊本部に、ブラック将軍が通信で人質交換を要求。猛、隼人、滝の三人がアンチショッカー同盟の石上から受け取ったデータテープを手に指定場所へ訪れると、そこで待ち受けていたのは総勢6体のショッカーライダーだった!
解説
久しぶりの隼人の登場です。
前回の登場が73話だったので、丁度20話ぶりの登場ですね。週イチ放送だったはずですから、期間にすると4~5ヶ月ぶりってところでしょうか。思えば前回も、72話での登場が丁度52話以来の20話ぶりの登場でした。図ったような偶然です。
その隼人、登場するやいなや、藤兵衛や滝では見抜けなかったライダーの偽物をキッチリと見破ります。さすが、もう一人の本物。
逃走するショッカーライダーが乗っているマシンはショッカーサイクロン。新サイクロンとほぼ同型ですが、黄色のラインが入っているなど、独自の意匠も施されています。そして、それを追う2号ライダーが乗っているのは…新サイクロンですね。前回登場時は、既に1号用に新サイクロンが登場していたものの、改造サイクロンに乗っていましたが、2号用にも新サイクロンを作ったんですね、藤兵衛さん。
その隼人さん、今回はいくつか名台詞を残しています。
(ショッカーサイクロン上でショッカーライダーともみ合いながら)「所詮偽物は偽物だな!」
(ショッカーライダー2号の存在を聞かされて)「ショッカーライダーにも2号がいるのか!」
(6体のショッカーライダーを前に、猛に向かって)「本物の強さを見せてやろうぜ」
猛のこの台詞も地味に好きです。
「ショッカーライダーが1号2号と揃えているのに、俺が何もせずにいられるか!」
実際には1号2号どころじゃなかったわけですが(汗
そして、最後に登場する6体のショッカーライダー。タイトルの「8人の仮面ライダー」とは、ダブルライダーに6体の偽物で8人なわけですが、この8体で画面が埋まる様はなかなかに壮観で、一見の価値ありです。
ちなみに、6体のショッカーライダーはすべて1号ライダーの偽物です(腕と脚のシルバーラインが2本)。この中に入っちゃうと、見方によっては隼人ライダーが一番偽物感が強いという皮肉(笑)。各ショッカーライダーは、グローブとブーツが黄色なのは同じですが、マフラーの色がそれぞれ違っていて、1号が黄色、2号が白、3号緑、4号水色、5号紫、6号ピンクです。
さて、エピソードとしては異例の3話構成となっている偽ライダー編ですが、ようやく次回で決着します。
脚本:伊上勝
監督:山田稔