あらすじ
この一週間ほどで何度も、各地の少年ライダー隊員が「デストロンハンター」を名乗る謎の通信を傍受していた。罠の可能性もあるが、見過ごすこともできないと判断した志郎は、傍受した通信が指定していた場所へと向かうと、そこではデストロンハンターとおぼしき男が怪人・カメラモスキートに襲われていた。変身して、デストロンハンターの男を守りつつカメラモスキートを撃退するV3。
男はインターポール所属のデストロンハンター5号こと、佐久間健と名乗った。戦闘員に化けてデストロンに潜入していた4号が持ち出した、デストロンの機密を記録した暗号マイクロフィルムを受け取るところをカメラモスキートに襲われたという。志郎と藤兵衛は佐久間を保護。少年ライダー隊と正式に協力関係を結んだ。
そしてマイクロフィルムの暗号を解読するため、志郎と佐久間はデストロンハンターのアジトでインターポール日本支局の田所と落ち合う。しかし、少年ライダー隊本部での会話が、デストロンに盗聴されていることに気づいていた志郎は、事前に策を施し、マイクロフィルムを奪い返しに来たカメラモスキートに偽のマイクロフィルムを掴ませた。激怒するドクトル・ゲー。
カメラモスキートは改めて佐久間達と落ち合う田所の邸宅を襲撃。その能力を用いて田所になりすまし、志郎達と接触した。しかし、田所を襲って入れ替わっている現場を田所の娘に見られており、その事実を志郎達の前で暴露されてしまう。
一度は車で逃走するフリをして志郎達を巻いたかに見えたが、それも志郎に見破られており、娘を始末しようとしたところをV3に阻止されてしまう。なんとかマイクロフィルムを持ち帰ろうとするも、V3はそれを許さず、V3キックからV3ボディアタックの連続技でカメラモスキートを撃破。マイクロフィルムを取り返し、本物の田所が改めて解読を始めた。
四大幹部を死なせる失態に続き、機密情報を奪われたうえに奪還にも失敗したドクトル・ゲー。「馬鹿者め！またも失敗したではないか！責任を取るなどとほざきおって！」激怒する首領に、名誉を賭けてV3打倒を志願するも、無言を返すのみの首領。
ついに首領にも見限られたドクトル・ゲーは、最後の大攻勢を決意するのだった。
解説
佐久間健初登場の回です。今後しばらく、志郎とライダー隊の協力者としてレギュラー化します。
この佐久間健というキャラクター、どうも前作の滝和也的なポジションを意識して投入されたようなのですが、残念ながら滝和也ほどの存在感を示せなかったのか、いつの間にかフェードアウトして出てこなくなるんですよね。
滝和也もインターポール所属の捜査官でしたが、滝が猛や隼人とほぼ対等の関係性だったのに比べ、佐久間は志郎の弟分的なポジションとなってしまっていたのも、存在感を保てなかった一因ですかねぇ。仮にも国際警察機構の捜査官が、いち民間人の子分みたいな感じなのはちょっとね…。戦闘力も、今回のそれを見る限りではイマイチですし。滝は戦闘員が相手なら、概ね後れを取ることは少なかったのですが、佐久間は戦い慣れしておらず、戦っているというよりはジタバタ暴れているだけで、どうにも頼りない。なんか、キャラクターの位置づけが中途半端なんですよね…。
インターポールの通信が少年ライダー隊員に簡単に傍受されてしまうというお粗末さも気になります。
ところで、今回インターポール日本支局の暗号解読担当者として登場した「田所」。実はちょっと気になる名前なんですよね。
2003年に、Playstation 2で発売された「仮面ライダー 正義の系譜」というゲームがあります。今なお、仮面ライダーゲームの傑作の一つとして評価の高いゲームなのですが、この中に登場するキーパーソンに「田所」という人物がいるのです。しかも、その田所はライダーマンこと結城丈二の関係者で、丈二が父親のように慕う存在だったとか。
「正義の系譜」に登場している田所が、今回登場した田所と同一人物として設定されているというわけではないのでしょう、おそらく。「正義の系譜」の田所は科学者ですし。ただ、「正義の系譜」は、1号、V3、BLACK、アギトの4人が、それぞれの時代で展開する戦いがクロスオーバーしていくという内容。そして、その田所が他ならぬV3の時代の人物として登場しているというのは…。ゲーム制作者の中に、「田所」という名前が頭の片隅に残っていて、意図せずに生まれた偶然なのかなと思ったりします。
話が脱線してますが、この「仮面ライダー 正義の系譜」は非常によく練られた良作ですので、昭和ライダーのファンでまだプレイ経験の無い方は、ぜひプレイしてみてください。当サイトでも、いずれプレイレポートでもできればいいなと思ってます。
さて、次回はいよいよドクトル・ゲーの最後の回です。
脚本：伊上勝
監督：塚田正煕
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