あらすじ
アマゾンを誘き出すために、人間を襲撃せよとの指示を十面鬼から受けたゲドンのカマキリ獣人は、オートレースの会場で出場者のレーサー達を襲撃した。ある中年レーサーの男が今にもカマキリ獣人の犠牲になろうとしているところに、アマゾンが乱入、変身してカマキリ獣人に挑みかかった。その変身する瞬間を目の当たりにし、驚きを隠せないレーサーの男。「変身だ!」。アマゾンは男を抱きかかえるようにして滝壺に転落。カマキリ獣人から姿を隠す。
カマキリ獣人が去ったのを確認して、アマゾンが男を介抱していると、アマゾンを探していたまさひこが現れる。男はまさひこの姿に見覚えがあった。彼は、クモ獣人に殺された高坂教授の友人で、立花藤兵衛と名乗った。
アマゾンが調合した薬で藤兵衛の傷の手当てをしていると、獣人の叫声と助けを求める人間の声が聞こえた。既に獣人の犠牲となって事切れている登山者を前に立ち尽くすアマゾン。そこに犠牲者の仲間の登山者達が現れた。彼らは、いかにも不審な出で立ちのアマゾンを殺人犯と決めつけて攻撃してくる。言葉を操れず弁解することもままならないアマゾンはその場から逃れ、解ってもらえない怒りと悲しみを慟哭とともに爆発させるしかなかった。「バッカヤロウ!!」
アマゾンに助けられた藤兵衛は、得体の知れない悪と戦っているアマゾンの役に立てばと、オートバイをプレゼントする。しかし、その激しすぎる文明の利器は、アマゾンにとって恐怖の対象でしかなく、頑なに拒絶される。それでも根気よく使い方を教え、その速さ、便利さを身を以て教え込む藤兵衛。そして、ゲドンのジューシャが現れてまさひこを誘拐しようとすると、アマゾンはとっさにバイクを乗りこなしてジューシャに追いつき、まさひこを助け出した。
続けざまのカマキリ獣人の襲撃に対し、まさひこを藤兵衛に預けて、変身して迎え撃つアマゾン。海岸でのアマゾンライダーとカマキリ獣人の死闘は、アマゾンがカマキリ獣人の身体を切り裂いて致命傷を負わせ勝利した。
ゲドン三人目の刺客、カマキリ獣人を撃退したアマゾンだが、彼の命を狙うゲドンある限り、その身に安らぎはない。
解説
立花藤兵衛の初登場回です。本郷猛、風見志郎、神敬介といったレーサーとしての弟子達は正義のために次々と世界へ旅立ち、世界に通用するレーサーを育てるという夢は一向に叶わない。そんな事態に業を煮やしたのか、ついに自らレーサーに現役復帰してます。
その立花藤兵衛は、第1話で殺された高坂教授の友人という設定ですね。なので、まさひことも知己なのですが、まさひこの方は覚えていないという(笑)。
その藤兵衛さん、今度は次期レーサー候補としてアマゾンに目をつけたのか、彼にオートバイをプレゼントして乗り方を教え込もうとします。ろくに言葉も通じない野生児に、なんという無茶な…と思うところですが、まさひこに迫る危機を前に、アマゾンはあっさりとバイクを乗りこなしてしまいます。バイクにせよ自動車にせよ、単に動かすだけで結構複雑な手続きが必要なのに、アマゾンは藤兵衛が乗ってみせたのを一度見ただけで習得したというのか…。天才過ぎでしょ。
ところでバイクを拒絶するアマゾンは、一度は藤兵衛が持ってきたバイクを海に沈めてしまいますが、こんなことでは懲りない藤兵衛さん。「こりゃ今までのライダーとは相当違うわい。このへそ曲がりめ!」いや、この野生児にバイクを教え込もうとするあなたも相当かと…。さらには「こういうこともあろうかと思って、ちゃんと用意してきたんだ!」と、もう一台を持って来ている用意周到さ。どうやって二台のバイクを持ってきたんだというのは聞かないでおきましょうかね…
しかし、登山者殺害の濡れ衣を着せられて、怒りと悲しみを爆発させて暴れ回るアマゾンに寄り添い、共に立ち向かおうと励ます姿は、やはり変わらぬ「おやっさん」ぶりですね。荒れるアマゾンが山小屋のガラスを鍬でたたき割るシーンは、なんとなく尾崎豊を連想させます(笑
野生児な主人公とオートバイなんて、本来相容れないものだと思うのですが、仮面ライダーである以上、ある意味無理矢理にでもバイクに乗せてしまう。最近の全くマシンに乗らない仮面ライダー達も少しは見習ってほしいものですな(煽
脚本:大門勲
監督:山田稔