あらすじ
講釈師・田辺千鶴(せんかく)による「夏休み少年講談の会・仮面ライダーは敵か味方か」が伊勢丹で開催された。藤兵衛はCOLを臨時休業にしてチコ・マコらも連れてイベントに出かける。しかし、講談の内容はひたすら歴代ライダー達をおとしめ、悪の組織と怪人達を擁護するという酷い内容。その内容に藤兵衛が激怒し、千鶴を張り倒して追い出してしまう。
代わって自らが演台に座り、過去のライダー達と共に戦った経験を元に血湧き肉躍る講談を繰り広げる藤兵衛。
しかし、遅れて会場に到着した敬介が、控え室で気を失っている千鶴を発見。演台でライダーをおとしめる講釈をしていた千鶴は、怪人ネプチューンが化けた偽物だった。敬介がその正体を暴くと、いつの間にか客席に紛れ込んでいた風見志郎が姿を現した。
敬介と志郎の二人は共に変身し、ネプチューンに加えて、メドウサ、キマイラの3体の再生怪人を相手に戦闘、これらを一蹴した。
しかし、3体を復活させたキングダークの真の狙いは、3体と戦うXライダーの映像を採取し、その弱点を分析することにあった。弱点分析の資料を手にしたキングダークの、次なる策略とは何か。
解説
タイトル通り、メインストーリーはいったんお休みの、イベント色の強いエピソードですね。悪人軍団も出てこなければRS装置の話も一切無し。時間の大部分が、藤兵衛の講談という形を取った、歴代ライダー達の名シーンの振り返りで占められています。なのでストーリー的にはほとんど見るところも語るところもありません。
ただ、ライダーマンがプロトンロケットと共に散るシーンで藤兵衛が「天国へと旅立ったのでありました」と死んだことにしているのに、その直後に登場した5人ライダーとGODの戦闘シーンではちゃんとライダーマンの姿があるのはどう解釈すりゃいいんですかね? そして、当然その中にはV3もいるのに、その後に藤兵衛達の前に現れた志郎はGODの事を知らないようなそぶりです。いや、あんたさっき藤兵衛の回想の中で思いっきりGODと戦ってたやんけ! それとも、まさか藤兵衛の妄想とでも?
とまあ、ほとんど内容の無いストーリーの中にキッチリツッコミどころを仕込むのは、さすがというのかなんというのか…
あと、本筋とは全く関係ないところですが、V3の過去の名場面シーンで流れている主題歌「闘え!仮面ライダーV3」。この曲、番組OPに使われていたのは主演の宮内洋による歌唱ですが、この回想シーンで流れているのは水木一郎版と子門真人版ですね。割と貴重だと思います。
なお、脚本は2人の連名になっていますが、平山公夫は本職は助監督、また中瀬当一はプロデューサーである阿部征司の別名義だそうです。
脚本:平山公夫、中瀬当一
監督:内田一作