あらすじ
ライダーマンとしてサイタンクと連携しV3をブルドーザーで押し潰した結城は、サイタンクの案内でアジトへ案内されるが、そこで罠にかかり閉じ込められてしまう。結城に執着するヨロイ元帥の手で再び処刑されかけた結城だが、逆ダブルタイフーンでブルドーザーから脱出したV3に救出される。V3はヒロシをはじめ子供達も救出し、結城と共にその場を逃れた。
救出されたヒロシは病院に収容され、姉の明美と祖父にも藤兵衛から連絡が行っていたが、ヨロイ元帥は計画を変更し、明美と祖父を拉致。二人がデストロンの手に落ちた志郎は危険を察知して病院からヒロシを連れ出すが、その前にサイタンクが立ち塞がる。ライダーマンの手引きもありヒロシは藤兵衛らともども逃走するが、V3はやはりサイタンクに全く歯が立たず、一方的に叩きのめされてしまう。ライダーマンの助力でなんとかその場を離脱した者の、志郎は全身に大ダメージを負ってしまった。
ヨロイ元帥はヒロシの祖父に手紙を持たせ、志郎を手紙で一人呼び出した。藤兵衛と純子の制止を振り切って指定の場所へ向かう志郎の前に立ち塞がる結城。彼は「科学の力で人間のユートピアを作る」のだと信じていたデストロンの現実を目の当たりにし、それまでの自分を深く悔い、「死んでも構わない、俺に行かせてくれ」と志郎に懇願するも、志郎は「自分が行かなければ明美さんは助からない」と拒絶。結城に当て身を入れ、再び一人現地へと向かった。
現地で出迎えられた志郎は、明美の身柄と引き替えとされ、サイタンクによって拘束された。手術台に固定され、今にも脳を破壊されようとしていた志郎だったが、戦闘員に変装していた結城の助けで危機を脱出。二人は変身し、ライダーマンは明美を救出し、V3はサイタンクと干戈を交える。やはりその圧倒的戦闘能力に苦戦を強いられるV3だが、そのツノが弱点であることを偶然発見し、V3キックでツノをへし折るとサイタンクは途端に弱体化。ライダーマンがロープアームで拘束したサイタンクにV3錐揉みキックを浴びせ、ついに強敵を打ち破った。
解説
結城丈二がデストロンの実態を目の当たりにし、本格的にデストロンと距離を置くことになる回です。とはいえ、まだ「ヨロイ元帥がデストロンをおかしくした」という認識のようで、首領のことはまだ信じていたような描写がこの後のエピソードで出てくるのですが。今回から結城は本格的に志郎のサポートとしての役回りが強くなります。さっそく、処刑寸前の志郎を戦闘員に変装して助け出すというファインプレーを演じてます。
で、結城がV3に助けられ、デストロンの現実に打ちのめされているときのナレーションがちょっとヤバい。
「彼の愛したデストロンは、まさに憎むべきものだったのだ。そしてその時、仮面ライダーV3は、まさに愛の救世主だった」
「愛の救世主」と来ましたか!!
現代なら腐女子方面が大喜びしそうです…
冒頭でV3が逆ダブルタイフーンでブルドーザーから脱出してますが、変身は解除されずV3のまま。もう最初の設定を守る気すら無いようですね…
とにもかくにもヨロイ元帥は、ジワジワいたぶりながら処刑するのが大好きな加虐趣味があるようですね。今回もライダーマンを針山の壁でじわじわ押し潰そうとしたり、志郎を「脳を手術して役に立たない身体にしてからジワジワ愉しんで殺してやる」とかおぞましいことを言い出します。ここまで偏執的な残虐性を表に出している大幹部も珍しい…というか彼くらいなものでしょうね。ヨロイ元帥が歴代幹部の中でもぶっちぎりで嫌われている理由の一つにもなってそうです。ある意味、スマートさのかけらもない、極めてわかりやすい典型的なタイプの悪人と言えますね。
前回V3を一方的に叩きのめしたサイタンクは今回も大暴れで、一度は志郎にまともに歩けないほどの大ダメージを負わせます。が、こういう怪人には、
- 露呈した弱点が突破口になってあっけなく崩れる
- 特訓で強化した技で斃される
というのが定番の展開。サイタンクは前者で、ツノを叩き折られた後はあっけなく斃されてます。
脚本:鈴木生朗
監督:折田至