あらすじ
村田源二。前科十犯の強盗殺人犯。アマゾンたちは、その村田が女の子を人質にして警官隊から逃走する現場に出くわした。アマゾンは村田が立てこもる廃屋に密かに潜入して叩きのめし、女の子を救出。村田は警官隊につかまりパトカーで護送されたが、そのパトカーをゲドンのジューシャ達が襲撃し、村田はゲドンのアジトに連行された。そして、「どうせ死刑になるくらいなら」と、十面鬼の提案を呑み、改造手術を受けトゲアリ獣人となって生まれ変わった。
十面鬼はトゲアリ獣人に、アマゾンの抹殺と、村田の拉致騒動の時にアマゾンに捕らわれたジューシャの奪還を任務として課す。一方で、アマゾンはモグラ獣人と一計を案じ、捕らえたジューシャをまさひこ達の不手際に偽装してわざと逃がし、ゲドンのアジトを探るべく逃走したジューシャを尾行する。しかし、その策を見破っていたトゲアリ獣人の迎撃を受け、アマゾンは獣人とジューシャの連携攻撃の前に敗れ、意識を失う。
気絶したままアジトに連行されたアマゾン。トゲアリ獣人が十面鬼の指示でギギの腕輪を奪おうとした瞬間、アマゾンは起き上がった。アジトに潜入するため、アマゾンは気絶したフリをしていたのだった。十面鬼が放つ炎の中でアマゾンライダーに変身したアマゾン。トゲアリ獣人を死闘の末、カッターで滅多裂きにして斃したものの、十面鬼はアジトを放棄して爆破。再びその所在を消したのであった。
正月を迎えた東京。新年の挨拶もできないアマゾンに、日本語を教えようとするまさひこの姿があった。
解説
ゲドン以前の組織の「改造人間」は、どちらかというと人間を素体にして動植物の特徴を付加したものですが、設定上、ゲドンの「獣人」は逆で、獣を素体として人間の知能を持たせたもの。そのため、その見た目は圧倒的に動物寄りで、人間が改造されて獣人になるような描写もこれまで無かったのですが、今回は凶悪犯がトゲアリ獣人として改造されるという珍しいケース。きちんと改造担当のドクターみたいなのがいて、改造手術を行っています。
そうして生まれたトゲアリ獣人。その戦闘力はというと…変身前のアマゾン相手には圧倒して見せていますが、これもアジトに潜入するためにアマゾンが気絶したフリをしただけと考えると、アマゾンの手の上で踊らされていただけかも知れませんし、実際Bパートでアマゾンライダーに変身した後は、とくにいいところなく一方的なので、正直たいしたものでは無いと言えるでしょう。
前回から、アマゾンライダーのアクションが明らかに変わっていて、パンチやキックを多用する従来のアクションに近くなっていると書きましたが、それでもこれまでのライダーと差別化しようという試みは一応感じられます。パンチは正拳ではなく裏拳が多用され、キックも単純な蹴りばかりではなく、水面蹴りみたいな変則蹴りが多い。そして、噛み付きも完全に廃されたわけでは無く、技闘のなかでアクセントとしてうまく取り入れられている感があって、この時期のアマゾンライダーの技闘は個人的にかなり完成度が高いと思ってます。
脚本:伊上勝
監督:山田稔