あらすじ
ガランダーは、分身を使った遠隔放火能力を持つゲンゴロウ獣人を使い、「東京火の海作戦」の遂行を企てていた。ゲンゴロウ獣人は自身のエネルギーを補給するため、露天商のフリをしてりつ子に接近、その血を吸い上げた。りつ子は極度の貧血状態となり入院。
エネルギーを得たゲンゴロウ獣人は、火薬工場、ガソリン貯蔵庫などを次々と爆破。街は大混乱となる。モグラ獣人の知らせで事件の背後にガランダーが動いていることを知ったアマゾンは、被災現場へ急行。そこでゲンゴロウ獣人と遭遇し交戦する。しかし、爆破活動でエネルギーを失いかけていたゲンゴロウ獣人は決着をつけること無く撤退。
作戦失敗と咎めゲンゴロウ獣人を処刑しようとするゼロ大帝に、作戦は遂行途中であり、そのためにエネルギー補給が必要と訴えて処刑を免れたゲンゴロウ獣人は、再びりつ子を黒ジューシャ達に拉致させて、吸血。モグラ獣人の知らせを受けてアマゾンが駆けつけるも、既に血を吸われた後だった。
助け出したりつ子から、東京湾の石油コンビナートを爆破するというゲンゴロウ獣人の作戦を聞かされたアマゾンは現地へ急行。コンビナート爆破を阻止し、ゲンゴロウ獣人と相対。アマゾンライダーに変身し、最後は大切断で滅多斬りにして獣人を絶命させた。
作戦の失敗を悟るゼロ大帝。そして、そのゼロ大帝に「ひるまずガランダー帝国の建設を進めよ」と命ずる「全能の支配者」の声。さらなる謎をはらみつつ、アマゾンとガランダーの戦いは続く。
解説
ゲンゴロウ獣人は露天商に化けてりつ子を襲うのですが、考えてみると人間態を持つ獣人って初めてですね。人間をベースに改造されているトゲアリ獣人だって、人間態を残している様子はありませんでしたしね。
冒頭でその人間態のゲンゴロウ獣人が、りつ子の血を吸っているシーンは見方によってはちょっとエロいです(笑)。りつ子の胸に顔を埋めているようにしか見えない(笑)。まあ、りつ子そんなに胸無いですが…
それにしてもゲンゴロウ獣人に対して「失敗は死」を示すためだけにジューシャを一人いきなり殺してしまうとか、理不尽にもほどがあります。ゼロ大帝は歴代の敵組織のボスの中でも、残忍性が際立っていますね。部下の命は文字通り使い捨てて、なんとも思っていない。獣人を処刑して高笑いしている十面鬼も相当でしたけど。
ゲンゴロウ獣人が東京火の海作戦の一環として爆破されたガソリン貯蔵庫なんですが、その爆発映像を見て「はて?」と首をかしげます。なんかね、光景が明らかに日本じゃ無い。写っている自動車も店舗も、どうみてもアメリカチックなんですよ。…これ、何らかの海外作品からシーンをパクってるんじゃないんですか? 大丈夫?
最後には、「全能の支配者」が初登場です(声だけですが)。ゼロ大帝を影で支配する、さらなる大ボスという雰囲気ですが、実際はこの支配者こそが本物のゼロ大帝であり、表だって活動しているゼロ大帝は影武者だというオチなのですが。しかし、その支配者の声を当てているのは阪脩。そう、前作の「GOD総司令」と同じ人です。キングダークの登場と共に、なんとなくフェードアウトしてしまってその後どうなったのか誰も知らない「GOD総司令」。特に声の出し分けをしているわけでもないので、「まさか、GODも『支配者』の影響下にあったのか?」 と当時の子供はもしかしたら考えたかもしれませんね。
脚本:鈴木生朗
監督:内田一作