怪奇!クモンジン(『仮面ライダー[新]』第2話)

あらすじ

洋と共にネオショッカーから逃れた志度博士は、洋の戦いをサポートするべく、その拠点として「志度ハンググライダークラブ」(SHC)を設立し、会長に収まった。そんな中、ネオショッカーのアジト捜索するも成果が挙がらずに終わった帰り道で、前を走る車の運転手が唐突に上空へ吊り上げられるのを目撃。運転手を失い暴走する車に取り残された少年・健二をなんとか救出した洋。

運転手だった健二の兄・真一は、ネオショッカーの改造人間・クモンジンによって、改造人間用のスペア人間としてアジトに拉致されていた。仮面ライダーに変身した洋は、自分を味方と勘違いするクモンジンを騙してアジトに潜入し真一を救出、健二の待つアパートに連れ帰った。

洋は自室で待ち構えていたクモンジンの襲撃を受けるが、ゼネラルモンスターがその場に現れ、洋をネオショッカーに改めて勧誘。洋が断固拒否すると、処刑を宣言してマンションの屋上から突き落とすが、洋はライダーに変身して飛行し、その場を離脱。クモンジンを追って、真一・健二のアパートへと急行するも、一足遅く、既に健二がクモンジンに連れ去られた後だった。

弟が攫われても、大学受験に繰り返し失敗して人生を儚んでいる真一は「どうせ脅しだ」と動こうとしない。そんな真一にライダーは「君も人生に命を賭けてくれ。私も命がけで生きていく」と諭し、健二の救出に向かう。

ライダーの言葉に触発された真一は、ライダーよりも一足早くクモンジンの指定場所に到着するが、待ち受けていたクモンジンに捕らわれる。アリコマンドの妨害を突破してきたライダーは健二を救出し、さらに真一を連れ去ろうとするクモンジンの前に立ちはだかり、スカイキックを直撃させて、撃破した。

お互いの無事を喜び合う兄弟。真一は、弟のためにも、もう一度頑張って生きていこうと決意を新たにするのだった

解説

タイトルからして明らかに『仮面ライダー』第1話「怪奇蜘蛛男」のオマージュですよね。

飛田今太

今作の前半に登場する準レギュラー?の飛田今太は、ストーリー上になんら絡んでこない、純粋なコミックリリーフ。毎度毎度、ライダーとネオショッカーのドンパチ場面に遭遇して夢中でシャッターを切るも、怪人とニアミスして気絶するとか、そんなシーンばかり(笑)。

ただ、この飛田今太を演じる東隆明という俳優は、ちょっと調べてみるとなかなか凄い人みたいですね。と言っても、俳優として名を挙げているというわけではなく、脚本家、演出家、作詞家など俳優以外にも様々な顔を持ち、それ以外にも活動家としても、講演活動を精力的にこなしていたとか。

しかも、父方の祖父は元総理大臣の近衛文麿であるとか。庶子であるため近衛姓ではありませんが、つまりは血筋を辿ると天皇家にも繋がっているということですね。

そんな人がこんなコミックリリーフを演じるとか(汗)

なお、「東隆明」は「あずまりゅうめい」と読むらしいです。ずっと「ひがしたかあき」だと思ってました(笑)

ネオショッカーの目的

ゼネラルモンスターが洋を改めて勧誘するシーンで、ネオショッカーの目的が語られます。それは、やがて来たる人口爆発から来る食糧危機による人類滅亡を回避するため、人口を3分の1に減らすこと。

かのショッカー軍団は、改造人間による世界の支配を目指していました。が、組織の名前が似ていても、ネオショッカーの目的は言うなれば彼らなりの「世界の救済」であり、私利私欲で世界と人類の支配を企むショッカー軍団とは明らかに毛色が違う組織と言えます。ただ、救済の手段があまりにも非道であるため、やはり人類の自由のために戦う仮面ライダーの正義と対立することには変わらないのですが。

まあこのネオショッカーの目的も、エピソードを重ねるに従って次第に歪んでいくのですが。後に魔神提督がゼネラルモンスターに取って代わると、もはや何がしたいのかわからなくなる。子供に嫌がらせしてプゲラするのが目的か?というレベルに変わり果ててしまいます(笑)

ライダーブレイク

今回初めて登場するこの技。スカイターボごと体当たりでアジトの壁をぶち破るという荒技。体当たりの前段階として、前輪を浮かせて走るいわゆる「ウィリー走行」をするのですが、管理人が子供の頃、これに影響されて自転車でウィリー走行を試みるのが流行りましたねぇ。もちろん、皆が皆できるわけではなく、できる人はクラスでも一目置かれたものです。

が、このライダーブレイクも、後に路線変更が行われると共に全く使われなくなります。セイリングジャンプに比べるとストーリー的な使いどころも作りやすいと思いますし、画面的にも爽快感があって良かったと思うのですが、なんで使わなくなっちゃったんですかね。

脚本:伊上勝
監督:山田稔

第1話「改造人間 大空を翔ぶ」第3話「勇気だ!コウモリ笛の恐怖
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