あらすじ
ブラックサタンは優秀な子供達を集め特殊工作隊「レインジャー子供部隊」を組織するべく、富士急ハイランドを秘密裏に占領。スリラーハウスを部隊に気力・胆力のある子供達を選別し、訓練場へ拉致しようとしていた。
そんなブラックサタンの気配を察知した茂とユリ子はそれぞれ別行動で現地へ。作戦の妨害を恐れたブラックサタンはサソリ奇械人率いるチームに茂を襲わせるが、ストロンガーに変身した茂は立花藤兵衛を名乗る男の助太刀も得て、サソリ奇械人を圧倒、これを退ける。
一方でユリ子が富士急ハイランドの現地でサソリ奇械人に襲われ、子供達の失踪へのブラックサタンの関与は確実となった。一足先に子供達を運搬しているブラックサタンのトラックを追跡するユリ子。タックルに変身して戦闘員を蹴散らして子供達を救出しようとするも、サソリ奇械人に逆襲される。
タックルの危機に、口笛と共に登場したストロンガー。子供達をタックルに任せ、サソリ奇械人率いる一団に挑みかかる。戦闘員を蹴散らし、サソリ奇械人を電撃で翻弄して圧倒。電撃で怯んだサソリ奇械人に必殺の電キックを浴びせて撃破。子供達は全員救出され、ブラックサタンの計画は潰えた。
解説
初期の本作は、茂がブラックサタンの影を求めて各地を放浪するという設定なので、自然とロケが多くなっています。今回は富士急ハイランドロケです。今回のブラックサタンの作戦は、これまでの歴代組織も時々やっていた、子供による特殊部隊の結成ですね。ただブラックサタンは、今回みたいに「お化け屋敷を踏破した」だとか、「テストで100点を取った」だとか、ターゲットとなる子供の選抜基準があまりにも低レベルで、なかなか微笑ましいのですがw。
で、今回立花藤兵衛が初登場します。たまたま目の前を通りかかった茂を、レーサーとしてスカウトしようと追いかけてブラックサタンに遭遇するのですが、ブラックサタンの姿に臆すること無く茂を助太刀しようと立ち向かうのは、さすがは歴代ライダー達と共に悪と死闘を繰り広げてきたおやっさんと言えるでしょう。ただ、本作の藤兵衛は、特に最初の方ではコミックリリーフ的な役割が強く、茂やユリ子につきまとっては、さくっとあしらわれるパターンがしばらく続きます。
で、ストロンガーはテイストが時代劇だと言いましたが、今回も時代劇風味がてんこ盛り。城茂自身の傾き者っぷりもさることながら、対ブラックサタンにおいては、ストロンガーが奇械人相手に苦戦することはほとんどありません。今回もサソリ奇械人を一方的にボコる勢いで痛めつけ、ハサミで首を絞められても平然として、その状態で煽り返すというありさま。時代劇ではチャンバラのシーンはだいたい主人公による一方的なKOショーですが(笑)、まさに本作の技闘はそんな感じで、とにかくライダーがこれでもかってくらい強い。ただ、あまり怪人が弱く見えすぎないように、ちゃんとボコられ役としてタックルがいるというのが配役の妙ですね(笑)。
脚本:鈴木生朗
監督:内田一作