あらすじ
ブラックサタンの大幹部・タイタンは、巷の暴走族に取り憑いて、彼らの暴走により次々と事故を誘発、交通を大混乱させる計画を、奇械人ゴロンガメに命じて遂行させていた。暴走ライダー達の標的は、小学生のツアーバスにもおよび、たまたま乗り合わせていたユリ子が運転を代わるも捌ききれず、多数のけが人を出すこととなった。ブラックサタンの戦闘員とゴロンガメに取り囲まれ、タックルに変身しても苦戦するユリ子だったが、口笛と共に茂が登場。ストロンガーに変身し、ゴロンガメを撃退した。
茂に妨害されたゴロンガメを叱責しつつ、タイタンは引き続き計画の続行を指示。引き続き暴走族に取り憑いて各地で大暴れするブラックサタン。その走りっぷりに惚れ込んでスカウトしようとした藤兵衛も巻き込んで次々と惨事を巻き起こす。
怪我をした子供達を運ぶ救急車の手配をしつつ、ラジオのニュースで聞いた暴走族の特徴から、今回の暴走事故がブラックサタンの仕業と確信した茂は、ストロンガーの能力で暴走族の位置を特定、カブトローで急行する。しかし一足遅く、茂の到着前に救急車は事故に巻き込まれてしまった。戦闘員を使って救急車を人質に取るゴロンガメだったが、戦闘員は不意に出現したタックルが蹴散らし、人質の確保に成功。
ストロンガーに変身した茂は甲羅と溶解液を武器に襲いかかるゴロンガメに動じること無く、甲羅に閉じこもったゴロンガメを沼に蹴り込み、電気ストリームで水に電気を流して感電死させた。
かくして暴走族の心配も無くなり、子供達を乗せた救急車は無事に東京の病院へと向かったのだった。
解説
暴走族の耳にブラックサタンのマークを見付けて追跡する茂の前にさりげなく車を割り込ませ、「失礼、免許を取ったばかりでね」とすっとぼける人間態のタイタンだったり、ゴロンガメに対し名乗った後で、「覚えたって無駄だぜ!お前との付きあいはこれっきりだろうからな!」と見得を切る茂だったり、今回もキャラの魅力が存分に立っていますね。あ、ちなみにタイタンの乗っているクルマは、フォルクスワーゲンのビートルですね。外車を経費で買えるほど予算のある番組だったとも思えないし、もしかして演者の浜田晃の私物だったんですかね。
Aパートでのゴロンガメとの戦闘後、ストロンガーが変身を解除して茂に戻る珍しいシーンがあります。昭和シリーズではこういうシーンって実は貴重なんですよね。
前回に続いて登場の立花藤兵衛。彼の登場時に流れている歌は、『俺は立花藤兵ェだ』という曲名であり、歌っているのはなんと演じている小林昭二本人だったりします。本来は前作『仮面ライダーアマゾン』の時に作られた挿入歌ですが、実際に劇中で使われているのは今回が唯一ですね。
ストロンガーが暴走族の居場所を特定するために使用した「カブトキャッチャー」の能力をナレーションが説明するシーンがあるのですが、曰く「カブトキャッチャーとは、電気的に敵を探し出す装置である」だそうです。うん、さっぱりわかりません(笑)。
そして相変わらず奇械人相手には理不尽に強いストロンガー。Aパートでは最初からゴロンガメの腰が引けており、あっけなく逃走。Bパートの決戦では溶解液を駆使して多少はストロンガーを翻弄しては見せましたが…。固い甲羅に潜り込んで「手も足も出ないだろう」的なノリでストロンガーを煽ったら、ストロンガーは相手にせず甲羅ごと蹴っ飛ばして沼に放り込む。そしてさらに沼に電流を流して手も触れずにゴロンガメを爆死させる。もはややりたい放題です(笑)。
脚本:松岡清治
解説:折田至