あらすじ
五郎、ユリ達四人がボウリング場でボウリングに興じていると、目の前で次々と人が倒れた。倒れた人たちは、いずれも老人のような姿に変わり果てていた。これはショッカーが開発した新型細菌のせいだった。この細菌に感染すると、全身が急激に老化して約一週間で死に至る。ショッカーは細菌の実験にボウリング場を選び、ハウスボールの穴に細菌を塗り込んだ。結果、次々と観戦者が出たのだが、ユリたちはマイボールを使っていたため難を逃れた。
第一の実験の成功を経て、ショッカーの実験は次の段階へ移った。感染者に触れた者にも感染するよう、より感染力を強化した細菌を、ゴキブリに付着して団地にばらまく計画。しかし、思わぬ邪魔が入る。
団地にゴキブリ殺虫剤を露店販売する二人組の男。強力な殺虫効果をうたうその殺虫剤は、実は何の効果も無いただの詐欺なのだが、計画の邪魔をしようとしていると早合点した戦闘員達によって捕らえられ、一人は地獄大使の命令でゴキブリ男に改造されてしまった。
もう一人は必死の命乞いで、改造手術は免れたが、ショッカーの手先として働くことを余儀なくされた。彼は同じ団地で細菌入りの風船を子供達に配る。しかし、彼の顔を覚えていた子供達により、インチキ殺虫剤を売っていた男だとバレてしまう。子供達が詰め寄るところに、ゴキブリ男が現れ、子供を二人捕まえて車で立ち去った。
現場にいた五郎が藤兵衛に連絡し、猛と滝が車の向かった先を追った。車に追いつき、どうにか子供達は助け出したが、ゴキブリ男には逃げられてしまう。その際、その場を逃げだそうとした詐欺師の片割れは、ゴキブリ男の細菌を浴びて老化し、倒れてしまった。
各地で風船が爆発し、老化細菌が感染を広げる中、猛と滝は詐欺師のうわごとから、彼の上着に忍ばれている解毒剤を発見。回復した詐欺師から、ゴキブリ男が午後3時に太陽ビルの屋上からアドバルーンで細菌をばらまく計画であることを聞き、ライダーに変身してサイクロンを飛ばし現地へと急いだ。
3時ギリギリに現地に着いたライダーは、アドバルーンを上げる直前だったゴキブリ男につかみかかりこれを阻止。なんとしてもアドバルーンを上げようとするゴキブリ男と、それを阻止するライダーの戦い。激闘の末、ライダー反転キックでゴキブリ男を下した。
老化細菌を浴びた人々は、詐欺師が持っていた解毒剤を分析して複製した薬で無事に回復したのだった。
解説
アドバルーン…そういえば最近はめっきり見なくなりましたね。ごくごくたまーに見かけることはありますが、見かけると「おや珍しい」って感覚ですからね。
アドバルーンとは、ビルの屋上などで広告を吊り下げた状態で空中に浮かべた風船のことで、昭和の時代はよく見かけた記憶があります。現在アドバルーンが減っているのは、高層ビルが増えた影響でアドバルーンを上げても目立たなくなってしまったのと、あとは規制が厳しくなってそもそも揚げられなくなっているという事情もあるようです。
なお、アドバルーンとは「アド(広告)」+「バルーン(風船)」で、つまりは風船を使った広告のことを指します。なので、今回ゴキブリ男が揚げようとしていたものは、厳密にはただの風船であって、アドバルーンとは言えませんね…
ところで、ほとんどの人間に激しく忌み嫌われているゴキブリですが、意外と昭和の仮面ライダーシリーズでゴキブリモチーフの怪人って少ないです。今回のゴキブリ男の他は、ネオショッカーのゴキブリジンくらいではないですかね? 平成シリーズにまで広げると、『仮面ライダーW』に登場したコックローチ・ドーパントもいますが。
ちなみに管理人の住む北海道ではゴキブリは生息していないと言われており、私も生まれてこの方ウン十年、ゴキブリというものを見たことがなかったりします。
脚本:滝沢真里
監督:山田稔