あらすじ
ショッカーは伊香保の地下に超音速機が100機収容可能な巨大な飛行場の建造を計画し、改造人間イモリゲスを使って現地の成人男性を秘密裏に労働力として次々と誘拐していた。しかし、ある夜、誘拐の現場を現地の少年ライダー隊員・トオルが目撃し、伝書鳩で本部へ通報。滝と猛、そしてナオキとミツルが別々に現地へ向かった。
一足早く現地入りした猛は、トオルの友人である瞳が、イモリゲスを目撃したためにショッカーに追われているところを救出。遅れて到着し、トオルと合流した滝達とともに現地のホテルに避難した。
しかし、家にいる姉が心配するからと猛達に断りも無く帰途についた瞳とトオルが、姉ともどもショッカーに拘束されてしまう。ナオキ達が後から瞳達の不在に気づいたときは、時既に遅しであった。
地獄大使が残したメッセージに従い、猛は明朝一人で地獄谷を訪れる。人質の解放を要求する猛を無視し、地獄大使は人質の3人を火あぶりで処刑しようとする。助けようとする猛をイモリゲスが妨害するが、滝が介入して3人を救出する。
猛はライダーに変身してイモリゲスに挑みかかる。一度はライダーキックを浴びせるもトドメを刺すには至らず、河原で奇襲を食らう。なんとか立て直し、さらにライダースクリューキックを食らわせると、イモリゲスは仁王立ちの状態で爆死した。
伊香保の地下飛行場建設計画も費え、温泉街に再び平和が戻った。
解説
地下飛行場
地下飛行場と来ましたか。まあ、これはあくまでフィクションではありますが、実際に地下飛行場なんて実現可能なんですかね。指揮所や倉庫など関連施設が地下に作られた軍用飛行場は実際に日本にもありましたが、滑走路そのものが地下にあるなんて飛行場は…どうも北朝鮮にあるとかないとか。排気の問題とか運用上の課題があるらしく、実際に使われているかどうかは怪しいらしいですが。
また、それだけの規模の飛行場を建設するための労働力の確保として、伊香保の現地でイモリゲスが一人一人拉致して来るとか、実に気の長い話です。仮にライダー達に露見しなかったとしても永久に完成しないサクラダファミリアになりかねん気が…
瞳がトオルと二人で黙って帰宅してしまい、ナオキとミツルが慌てて猛に不在を報告するシーンで、
「少年ライダー隊の君たちが付いていて目を離すなんて、ダメじゃないか」
と猛が二人を叱責しています。少年ライダー隊の活動は、単に子供達の課外活動のレベルではなく、それなりに高い実務能力が求められていることが見て取れますね。
イモリゲス
怪人イモリゲスは、「自由自在に水から出られる」能力を持っています。劇中の描写を見るに、水の中に潜んで…というレベルではなく、自らを液状化して水の中に紛れる事ができる能力っぽいですね。劇中ではさらっと描写されているのですが、改めて考えてみるとかなりとんでもない能力です。
しかし、その戦闘力はどうにも評価が難しい。
ライダー隊員の3人に石を投げつけられただけで滝の下に転落するお粗末さを見せたかと思えば、一度はライダーキックの直撃を食らっても死なないタフネスを見せたりもしてます。舌を伸ばして相手の首に巻き付けて絞め上げるという芸を持ってますが…あの舌をそのまま素直に引っ張るなり引きちぎるなりしてやればイモリゲスの方が大ダメージだよな…と思って見てたら案の定、ライダーに舌を踏みつけられて悶絶。まあ、そりゃそうだよね…。
最後はライダースクリューキックを食らうのですが、弁慶の立ち往生のごとく立ったまま爆散するという見せ場を最後に作ってました。
脚本:山崎久
監督:山田稔