あらすじ
琵琶湖のショッカーアジトに乗り込んだ本郷猛は、ショッカーが用意した罠にはまり絶体絶命の危機に陥れらる。しかし、カメレオン男の回収したナチスの鉄箱は猛が用意した偽物だった。猛を罠から出すことを条件に、本物のありかを聞き出したカメレオン男は、猛の始末を戦闘員に任せて、猛が箱を運び込んだ阪神工業大学へ向かう。
藤兵衛とルリ子が持ち込んだ箱を見守っているところに現れたカメレオン男は、鉄箱もろとも藤兵衛とルリ子を誘拐する。しかし、鉄箱は既に猛の恩師によって開けられており、中身は空っぽだった。
誘拐した二人を人質に、箱の中身の地図を持ってこいと猛を呼び出すカメレオン男。
大阪万博跡で猛を塔からたたき落とし、宝の地図を奪ったカメレオン男は、地図が示すナチスの宝が埋められている地点へ向かう。しかし、そこにあったものは…？
解説
カメレオン男は有能
前回、ハインリッヒ博士によるライダーの弱点分析に基づいて作られた罠に落ちたライダー。博士の分析通り、風力エネルギーを取り込むこともできず、ライダーのジャンプ力を上回る穴になっており、脱出不可能になったところへ、この時代の罠描写としてはよくある、天井が降りてきて押し潰される仕掛けに絶体絶命の猛。
正直、猛はまったく為す術がありませんでしたね。まさに押し潰される直前に、取引を申し入れて難を逃れましたが、本物の鉄箱の情報というカードが無ければ、猛はあのまま殺されるしかなかったでしょう。カメレオン男はあと一歩のところまでライダー打倒に近づいたと言えますね。
「このまま殺しては面白くない」などと変な色気を出して、みすみすライダーに逃げられるおバカな怪人が結構頻繁に現れますが、このカメレオン男にはそのような詰めの甘さはありません。必要な情報を得るために取引で猛を助けますが、この任務遂行力は評価されて良いのでは。
ライダーのイリュージョン
Bパートでは、万博跡に現れた猛が、バイクで階段を駆け上がるシーンがあります。危険なスタントですが、このシーンは藤岡弘本人が演じています。現在ならば考えられないですが、この時期はライダーのスーツも藤岡本人が着てアクションしていたといいますから驚きです。藤岡の事故があってからは、主演俳優に危険な殺陣やスタントをさせるのは避ける傾向になったようですが。
猛から奪った地図が示す場所をカメレオン男とハインリッヒ博士が掘り起こすと、中に入っていた箱に入っていたのはなんと仮面ライダー！ いや、あんた、どうやって入ったの！？ 引田天功も裸足で逃げ出すスーパーイリュージョンです。
しかし、つかまされた箱は偽物だわ、ようやく本物を手に入れたら中身は空っぽだわ、地図を奪って宝の箱を見つけたと思ったらやっぱり中身は取られていたわで、ライダーをあと一歩まで追い詰めたカメレオン男ですが、とことん報われませんねぇ…見てて可哀想になってきます(笑)
脚本：伊上勝
監督：折田至
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