あらすじ
ピラザウルスをサタンマスクとしてプロレスのリングに挙げ続けるショッカーの思惑は、サタンマスクをプロレスラーとしてのビッグネームに育て上げ、タイトル戦を開催、観戦に訪れた政治経済界の要人をピラザウルスの殺人ガス「死の霧」で一網打尽にすることだった。
サタンマスクの正体が兄の草加昇であると確信しているキヨシの追及を免れるためにハリケーン・ジョーを替え玉にして逃れるなど、いつになく慎重に事を運ぶショッカー一味。その間に、ピラザウルスはディスコを襲撃し、客とバーテンを死の霧の実験台として虐殺する。
ホテルを出るサタンマスクを尾行する隼人だったが、それはハリケーン・ジョーの化けた替え玉だった。急ぎ、サタンマスクの試合会場へと急行する隼人。試合会場では、今まさに要人を観客に迎えたタイトルマッチのゴングが鳴らされようとしていた。
解説
セキュリティインシデント
サタンマスクは兄だと強攻に言い張るキヨシに、五郎はサタンマスクが宿泊しているホテルの部屋に潜入して確認しようと持ちかけます。そして潜入のために、滝が持っている「どんな鍵でも開けられる」万能鍵束を持ち出してしまいます。
FBI特命捜査官という立場で、そのような特殊なアイテムを持っているのでしょうが、子供に持ち出されるようなヌルい所持品管理は、警察機構の人間としてちょっと脇が甘すぎますね。現在ならば重大なセキュリティインシデントとしてマスコミからフルボッコにされることでしょう。
改造人間は人間に戻れるのか
とにかく今回はショッカー側の緻密な作戦行動が目立ちますね。ハリケーン・ジョーをうまくおとりに使って隼人達を完全に攪乱しています。
ただ、隼人はハリケーン・ジョーを滝に任せて試合会場へ急行するのですが、この後ハリケーン・ジョーが結局どうなったのかは触れられません。マヤの方はピラザウルスの「死の霧」を吸って倒れたので、おそらく死んだのでしょうが。
そしていざ作戦決行と舞台となるはずだったタイトルマッチ。そこに現れたライダーが挑戦者となってピラザウルスと戦うのですが、意外にもちゃんとプロレスっぽい戦いをしてますね(笑)。最後はライダーキックとウルトラキックが交錯し、勝ち残ったのはライダー。
倒れたピラザウルスは元の姿に戻り、草加昇としての記憶も人格も取り戻したようですが、これはどう解釈すればいいんですかね? 草加昇は改造人間の体から普通の人間に戻った? それとも、改造人間なのはそのままで、記憶だけが戻ったのでしょうか。
本郷猛は元の人間の体に戻る手段をずっと探し求めていましたが、ピラザウルスが期せずしてかくもアッサリと人間の体に戻れていたのでは、猛の立場はいったい…
昇はピラザウルスだった間の記憶はきっと残っていないでしょうね。これが残っていたとしたら、ディスコで虐殺を働いた記憶があるはずで、罪の意識でおかしくなってしまいそうです。
脚本:伊上勝
監督:折田至