ドクガンダー 大阪城の対決!(『仮面ライダー』第21話)

あらすじ

富士山麓でドクガンダーが起こした事件で隼人達ともに生き残った、阪神理科大学の吉岡助教授。彼の恩師の小泉教授は、ドクガンダー事件の犠牲になったと思われていたが、突然吉岡の前にその姿を現し、「人間大の毛虫を発見した」という吉岡の発表をマスコミの前で「ただの売名行為」と否定してしまう。

吉岡が売名行為の咎で大学を退任させられたというニュースを見た隼人達は、小泉教授がショッカーの遣わした偽物ではないかと疑い、急ぎ大阪へと急行する。彼らの懸念通り、帰還した小泉教授の正体は、繭から孵化して、成虫として復活したドクガンダーだった。

吉岡助教授を誘拐し、彼が開発した繭成長剤で、孵化まで数ヶ月かかる大量のドクガンダーの繭の孵化を早めようと協力を強要するドクガンダー。

一方で、事件を追って大阪入りした隼人達。マリ、ユリ、五郎の活躍で戦闘員を捕らえ、吉岡の居場所を吐かせようとするが、戦闘員はドクガンダーに口封じされてしまった。隼人と滝がドクガンダーを追っている間に、ショッカーは藤兵衛らを誘拐。

ドクガンダーが捕らえた藤兵衛らを処刑しようとしているところに、仮面ライダーが駆けつけて救出。ドクガンダーは戦闘員から繭成長剤完成の報告を受け、いったんアジトへ撤退するが…

解説

前話からストーリーは直接つながっていています。前回のストーリーでは紹介から外れましたが、今回のキーパーソンとも言える小泉教授と吉岡助教授は前話にも登場しています。

「改造人間の繭」

成虫として復活したドクガンダーは空を飛び回るようになり、さらには指先から爆裂弾を発射するなど、幼虫時代と比較すると見た目も性能も派手派手になってます。

そのドクガンダーが吉岡の繭成長剤を使って成長を促進させようとした「改造人間の繭」。どうやら、みんなドクガンダーのようですが…仮にも改造「人間」の繭がああも小さいのはいささか不合理ですね。ショッカーの改造人間はあくまで人間を素体にして動植物の能力を移植するというものですから、あんな金魚の水槽に5個も6個も収まるような大きさになるわけがない。それとも、これは親のドクガンダーが生んだ、人間を素体としないドクガンダーの子供だということなのですかね。

チリ紙交換

あと、蛇足ではありますが、わざわざ大阪までやってきて、隼人の頼みでチリ紙交換に扮したマリとユリ。マリが思わず「若い女の子のする仕事じゃないわ」とかつぶやきますが、これ、今なら問題発言になりかねないですよね(笑)

それ以前に、「チリ紙交換」とは何かを知らない人も、もしかしたらこれを読んでいる中に居るでしょうか。昭和から平成初期くらいまで、一般家庭から古新聞や古雑誌などを回収し、ティッシュやトイレットペーパーと交換してくれる業者が、時々街中をトラックで走っていたのですよ。

軽トラで「毎度おなじみ、チリ紙交換でございます」なんてお決まりの台詞を流しながら走っていたものですが、最近は古紙回収として、毎月決められた日に委託業者が回収するのが一般的で、今ではすっかり見なくなりましたね。

脚本:山崎久
監督:山田稔

第20話「火を吹く毛虫怪人ドクガンダー」 第22話「怪魚人アマゾニア」
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