ダブルタイフーンの秘密(『仮面ライダーV3』第10話)

あらすじ

V3はレンズアリの熱線を食らって爆発し、行方不明となった。V3を排除したデストロンは、レーサー地獄部隊結成の本来の目的を実行。それは、羽田から極秘で輸送されている人工衛星用核物質の強奪だった。計画通り、輸送車を襲い核物質を奪い去るレーサー部隊。

一方で、藤兵衛と少年ライダー隊は、行方不明の純子とシゲルを捜索していた。捜索中に発生した霧で道に迷った一行は、通りかかった洋館で休息を取らせてもらうが、これは首領の意を受けてライダー隊抹殺に動いていたレンズアリの仕込んだ罠。ライダー隊は食事に睡眠薬が盛られていることを見抜き、一時はレンズアリ相手に応戦するも、床下の牢獄にたたき落とされ閉じ込められてしまった。

「泣くな!今こそ日頃の訓練を活かすときだ!」

藤兵衛に鼓舞された少年ライダー隊員達は、様子見に来た戦闘員を格子越しに拘束し、鍵を奪って牢獄を脱出。さらにはアジト内の通気口を通って、外部への脱出に成功した。

その頃、行方不明になっていた志郎は戦闘員に化けてアジトに潜入していた。脱出中の藤兵衛達を見付け、うまく脱出できるよう計らい、さらにはアジトの倉庫から、奪われた核物質と、改造されたレーサー達を元に戻す還元液を入手する。

アジトを脱出した藤兵衛達が目にしたのは、純子とシゲルの処刑現場だった。脱出を待ち構えていたレンズアリ達の命令により、レーサー地獄部隊は藤兵衛達を襲う…かに見えたが、レーサー部隊は直前で反転して逆に戦闘員達を襲撃した。彼らは志郎が奪った還元液の注入を受け、既に正気を取り戻していたのだった。

レーサー達に紛れ込んでいた志郎が純子とシゲルを助け、藤兵衛とライダー隊はレーサー達によってその場から無事に離脱。志郎V3に変身し、レンズアリとの戦いに挑む。

レンズアリの熱線に相変わらず苦戦するV3だったが、偶然、ダブルタイフーンのレッドランプが発動。エネルギーが倍加したV3に熱線は通用せず、逆に反射されて目をやられたレンズアリは、V3錐揉みキックを食らって爆死。

続いて挑みかかってきたカミソリヒトデ。何度カミソリを切り落とされても即座に再生する再生能力や、発火する油を浴びせてV3を苦しめるが、やはり最後にV3反転キックを食らって爆死した。

2体の怪人がV3に打倒され、歓声を上げるレーサーとライダー隊員達。つかの間の日常を取り戻したライダー隊は、行川アイランドでフラミンゴショーを楽しむのであった。

解説

ツッコミどころ満載

いやー、久しぶりに、実にツッコミ甲斐満載のエピソードですな。

前回のラストで、V3がレンズアリの熱線を食らった瞬間で終わっているわけですが、今回、その後の顛末は一切省かれ、あの一撃で(デストロン的には)V3が死んだことになっている。当然(番組的には)そんなわけなくて、志郎はあとで戦闘員に化けてアジトに潜入していることが判明する。顛末が省かれすぎてるので「あれ?」と首をかしげざるを得ません。

あと、志郎を始末した(と思い込んでいる)デストロンは、レーサー地獄部隊に輸送中の核物質を奪わせるのですが、その時のナレーションがね…

「極秘で羽田から原子力村に運ばれている人工衛星用核物質を襲った」

「核物質を襲う」ってなんだよ!! 原子力村ってどこだよ!! 

もちろん、実際に襲ったのは核物質の輸送車です。「原子力村」は存在しないわけではありませんが、これは原子力政策に関わる産・官・学の関係者達を批判的に語る時に使われるスラングみたいなもので(当時から使われていた言い回しかどうかはわかりませんが)…物理的には当然そんな村存在しませんし、架空の地名だとしてもあまりにも安直で、あり得なさ過ぎます。

あと、デストロンのアジトから脱出中の藤兵衛&ライダー隊員達。隊員の一人が、通路の途中で靴が脱げてしまい、それが後で戦闘員に発見されてしまうのですが…靴が脱げて気づかないってあり得なくない?

あと、最後の決戦ですが、何故かレンズアリとカミソリヒトデがそれぞれ単独でV3と戦い、各個撃破されてます、なぜ2人がかりで戦わない? 1vs多は卑怯だとかいう価値観の持ち主でも無いでしょうに。

少年仮面ライダー隊の大活躍

ちょっとしたツッコミどころを残したりはしましたが、少年仮面ライダー隊、今回は大活躍です。レンズアリがしかけた罠を見破って逆襲するわ、戦闘員を襲って牢獄から脱出、別の戦闘員に見つかったらメダルを投げつけて勇ましく応戦し、さらには通気口を通ってアジトから脱出を果たしてしまう。
「今こそ日頃の訓練を生かすときだ」
と藤兵衛が言ったときは、いったいどんな訓練をしているというんだと思ってましたが、その言葉に恥じぬ大活躍と言っていいでしょう。

エピソードタイトルにもなっている「ダブルタイフーンの秘密」は、ダブルタイフーンの真ん中に着いているレッドランプ。これが発動すると、V3のエネルギーが倍増するというもので、これによりレンズアリの熱線すら平然と跳ね返すようになります。こういうパワーアップ系の特殊能力って、それと引き替えにする何らかのデメリットが無いと、「なら常時稼働しておけばいいじゃん」となっちゃうのですが、このレッドランプはどうなんでしょうね。まあ、おそらくは一定時間しか保たない、くらいの制限はあるのでしょうが。

脚本:内藤まこと、佐伯俊道
監督:田口勝彦

第9話「デストロン地獄部隊とは何か!?」第11話「悪魔の爪がV3をねらう!!」
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