あらすじ
ショッカーは紀伊半島の南端・勝浦港に前線基地の建設を模索。そのための戦力として、南米から改造人間モスキラスを呼び寄せ、計画の実行に着手した。
一方、藤兵衛ら立花レーシングクラブの面々も、偶然にも夏休みを利用して勝浦を訪れていた。それを知った地獄大使は、吉野山中に虫捕りに訪れたナオキとミツルをモスキラスに誘拐させた。モスキラスはさらに帰りが遅いナオキ達の身を案じて探しに出てきた藤兵衛達も襲うが、そこに仮面ライダーが現れた。ライダーはモスキラスを撃退すると、藤兵衛の前で変身を解いた。そこにいたのは…南米で戦っているはずの一文字隼人であった。隼人は、南米で生み出された改造人間モスキラスが、基地建設のために日本へ派遣されたのを、追って来たのだった。
ナオキ達が行方不明と藤兵衛から聞き、隼人が山中の那智の滝へと向かうと、そこに地獄大使率いるショッカーの一団に遭遇する。ナオキとミツルを人質に取られ、モスキラス相手に存分に戦うことができず、川底に沈められた2号ライダーは、偶然ショッカーアジトへの入り口を見付けて潜入する。
一方で、猛と滝は一足遅れて勝浦に現れ、目撃証言を元に、僧侶が三人の女の子を連れて消えたというお堂に潜入するが、そこにはショッカーが待ち構えていた。捕らえているユリ達を人質にされ、抵抗できずにモスキラスに血を吸われ悶絶する猛。その姿に高笑いする地獄大使。しかし、そこに2号ライダーが現れてモスキラスらを蹴散らし、人質を解放する。
アジトの外にモスキラスを連れ出して戦う2号ライダー。猛も変身し、ダブルライダーとモスキラスの戦いとなる。いったんはモスキラスがその場から逃走するものの、ダブルライダーはサイクロンで追跡し、吉野山中の吊り橋の上でモスキラスを追い詰める。最後は、ライダーダブルキックを浴びせ、モスキラスを撃破した。
モスキラスは倒れた。しかし、勝浦への基地建設を諦めていない地獄大使は、新たな改造人間シオマネキングを引き連れ、新たなる計画を企てるのだった。
解説
新2号ライダー登場
一文字隼人の久々の登場も含めて、色々とコメントしたくなるところの多いエピソードですね。
隼人は第52話以来、丁度20話ぶりの登場になります。というか今回、猛はBパートの後半になるまで全く登場しないので、ほとんど隼人が主役と言ってもいい内容になってしまってますが(笑)
ライダーの姿で現れたとき、彼は改造サイクロンで登場しています。後に後続番組で客演するときには2号も自身用の新サイクロンを使っていますが、この頃はまだ新サイクロンは1号の専用マシンでした。
また、2号ライダーの姿も微妙に変わっています。いわゆる、「新2号ライダー」です。と言っても、旧1号→新1号ほどの劇的な変化ではなく、マスクの色がダークグリーンからライトグリーンに、あとグローブとブーツの色が緑から赤になっているくらいです。1号ライダーと同様、この2号ライダーの姿の変化についても、劇中では特に説明されていません。公式設定では、南米で自らを特訓で鍛えてパワーアップしたとされてはいるようですが。
色使いとしては新1号と同様、かなり派手目になっているので、新1号と新2号のそろい踏みは、画としてよく映えますね。
ちなみに、人間態からライダーに変身するシーンは当たり前のように毎回登場しますが、実はその逆、ライダーから人間の姿に戻るというシーンは、実は昭和シリーズではほとんど無かったりします。私の記憶にある限り、少なくとも平山享プロデュースの第一期、第二期シリーズでは、今回の隼人の変身解除シーン以外は無かったと思います(「ストロンガー」第4話にありました)。まあ今回も、ライダーが物陰に隠れて再び現れたら隼人になっていたという演出なので、変身解除そのものが映像で描かれているわけではないのですが。
第三期シリーズになると、時々出てくるんですけどね。
その他諸々
オープニングクレジットの中に、畠山麦の名前がありました。畠山麦といえば、『秘密戦隊ゴレンジャー』でキレンジャー/大岩大太役で後にブレイクしますが、今回は藤兵衛一行が止まる旅館の番頭の役ですね。
あと、エンディング曲は今回から『仮面ライダー』(『仮面ライダーのうた』とする文献もある)に代わって『ライダーアクション』になりました。ただし、クレジットでは『仮面ライダー』のままですね。この『ライダーアクション』は終盤になって『レッツゴー!ライダーキック』に代わりオープニング曲に昇格します。
最後に蛇足ですが、藤兵衛が海岸の露天風呂に浸かるシーンではやっぱガールズのサービスショットが欲しかったですねww
脚本:鈴木生朗
監督:山田稔