ダブルライダー秘密のかたみ(『仮面ライダーV3』第14話)

あらすじ

ライダー隊本部に、国際警察のジョージ釜本を名乗る人物から、志郎に入電が入った。ライダーV3に関する重大秘密を手に入れたので、10時に龍が岬にて渡したいと。志郎は訝しがりながらも現地へ向かうが、通信を傍受していたデストロンによってジョージ釜本は襲われた。V3の重大秘密を渡せと迫るガマボイラーの前にV3が現れ、釜本を無事救出。

ライダー隊本部で、志郎は釜本から地図を受け取る。その地図の場所に、ライダーV3の致命的な弱点が記されたものがあるという。地図の隅に残されていたのは、ライダー1号2号にしか使うことができないはずの暗号が残されていた。国際警察はコンピューターでその暗号を解読し、V3の弱点が残されていることを知ったという。地図が本物と確信した志郎は、デストロンへの漏洩を防ぐために地図をその場で焼却し、藤兵衛、シゲルとともに地図が示す秩父山中へと向かった。

秩父山中では、藤兵衛らの動向を監視していたガマボイラーらデストロンの一団が既に待ち構えていた。藤兵衛を人質に取ったガマボイラーは、志郎にV3に変身して戦えと要求する。訝しがりながらも、変身してガマボイラーと交戦するV3。ガマボイラーのむやみやたらな攻撃に違和感を感じていたV3だが、隙を突いて組み付いたガマボイラーに白い体液を浴びせられた。体液を浴びせたガマボイラーは、そのまま力尽き爆死。

戸惑うV3の前に、ドクトル・ゲーがその姿を現した。ドクトル・ゲーに挑みかかる志郎だが、エネルギーが低下していきまともに戦えない。ガマボイラーが命と引き替えに浴びせた体液が、V3のエネルギーを奪い取っていたのだった。エネルギーを奪われまともに抵抗できないまま、V3はドクトル・ゲーに一方的に押し込まれ、滝壺の下にたたき落とされてしまった。

V3の生死やいかに?

解説

個性的なデザインの多い初期デストロン怪人あって、今回のガマボイラーもまたデザインセンスの光る怪人です。そのガマボイラー、「一生に一度しか使えない」という体液噴射をV3に浴びせて差し違えるのですが…体液を浴びせる系の怪人なんて、ショッカーの昔から掃いて捨てるほどいるわけで、「一生に一度」というからにはもっとインパクトのある演出が欲しかったところですね、正直。

ガマボイラーのボディには「014」というナンバリングがプリントされていますが、これは「第14話」の014かな、もしかして…

さて、前回の最後より登場したドクトル・ゲー。その身なりからすると中世の騎士的なイメージがありますが、設定では元ナチスの軍人ということらしいですね。ということはショッカーのゾル大佐と同じルーツを持つということになりますが、ゾル大佐がいかにも軍人然とした姿だったのとは対照的です。ゾル大佐はその姿が普通の人間すぎて悪の大幹部っぽくないという局側からのクレームで、登場当初から降板が決まっていたという不幸なキャラクターですが、ドクトル・ゲーが軍人の姿をしていないのは、その時の反動なのかもしれません。

また、ドクトル・ゲー以降、デストロンには3人の大幹部が登場しますが、実はこのドクトル・ゲーが唯一のデストロン生え抜きの大幹部だったりします。他の3人は、デストロンと結託した邪悪部族の長という位置づけであり、元々デストロンでは無かったのです。このあたり、首領がゲルショッカー崩壊後に急遽再組織したデストロンは、ショッカーやゲルショッカーほど、万全の組織までは準備できていなかったのでしょう。だからドクトル・ゲーが倒れると、外部の力を取り入れなければ組織が保てなかったと。「ドクトル」はドイツ語で、英語で言うところの「Doctor」ですが、この人、博士でも医者でもないんですよね。どうしてこのような名前が付けられたのか、謎です。

そのドクトル・ゲーを演じるのは千波丈太郎。主に映画の世界で悪役として活躍した経歴を持つ俳優で、V3出演時は36歳。俳優として脂ののってくる年齢ですね。ドクトル・ゲー役も、それまで子供番組の経験が無かったのでオファーを受けたという、なかなかチャレンジ精神に富んだ方です。キャラクター作りにもこだわりを持っており、『仮面ラァ~イダV3』という独特の言い回しも、個性を持たせるために千波自身が歌舞伎をイメージして考案した演出とのこと。そのこだわりの甲斐あったのか、悪役キャラクターとしては異例の人気を博し、単独でのサイン会まで開かれたとか。

さて、今回はそのドクトル・ゲーがV3を叩きのめしたところで、次回へと続きます。

脚本:伊上勝
監督:山田稔

第13話「恐怖の大幹部 ドクトル・ゲー!?」第15話「ライダーV3 死の弱点!!」
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