あらすじ
デストロンはあらゆるものを一瞬にして消滅させる「プルトンロケット」を開発。八ヶ岳サソリ谷の発射基地からロケットを発射する実験は成功し、小笠原諸島南方の無人島が一瞬にして消滅した。デストロン首領は、次の日の午後0時にプロトンロケットを東京の中心へ撃ち込むようヨロイ元帥に指示。
しかし、この発射実験は八ヶ岳を訪れていた登山隊に目撃されてしまっていた。怪人ザリガーナが目撃者達の抹殺に向かうが、登山隊のリーダー・西岡が唯一生き残り下山、病院に収容された。
八ヶ岳を調査していた志郎はニュースで西岡のことを知り、彼が入院している七条病院へ面会に訪れるが、七条病院は既にデストロンの手に落ちていた。志郎はデストロンの罠に落ち、囚われの身となってしまうが、西岡は別途結城が手引きして病院から連れ出していた。
ザリガーナが結城達を追跡し追い詰めるが、デストロンを裏切った医師の手引きで脱出したV3が乱入。ザリガーナは「もっと重要な任務がある」とその場を離脱した。
西岡の証言を元に、サソリ谷に潜入した志郎と結城だったが、デストロンの仕掛けた罠にはまって離ればなれになってしまう。サソリ谷の発射基地では既にプルトンロケットの発射準備が整っていた。発射を指示する首領に、ライダーマンに変身していた結城は叫ぶ。
「待ってくれ首領!あなたは人類を滅ぼすつもりか!」
「それがどうした。人類など虫けらの価値さえも無い!」
「首領!あなたはそれでも人間か!」
「愚か者め、私が人間だと誰が言った!」
自分が人ならざる悪魔に忠誠を誓っていた事実を突きつけられ、愕然とするライダーマン。
しかし、ロケット発射スイッチはすでに投入され、発射の時まで既に秒読み段階。ライダーマンは発射台へと急ぐと、搭乗員の戦闘員を襲って、自分が代わりにロケットに搭乗した。
「さらばだV3、あとを頼むぞ!プルトン爆弾は安全な場所で爆発させてやる」
ライダーマンはロケットが上空を飛行している間に、内部で手投げ爆弾を爆発させる。空中で木っ端みじんに吹っ飛ぶロケット。かくして、爆弾の東京中心部への着弾は免れた。しかし、ライダーマンもまた、プルトンロケットと共に空の塵と消えた。
ライダーマンの消えた空に、V3が語りかける。
「君は英雄だ!俺は君に…『仮面ライダー4号』の名を贈るぞ!」
解説
ライダーマンの最後の回ですね。プルトンロケットを自分共々爆破してしまうのはライダーマンの有名な最後ですが、プルトンロケットって実は有人ロケットなんですよね。最初の実験でも戦闘員が中に入って操縦している描写があります。で、途中で脱出したような風もないので、カミカゼ特攻的な、乗員の生還を考えていないロケットなのでしょう。
登山隊のリーダー・西岡を演じているのは打田康比古です。そう、アポロガイストですね。低音のイケボが非常に特徴的な人なので、まさかと思ったら確かに見た目も打田康比古でした。で、オープニングを確認してみたら、しっかりクレジットもされていました。途中、自分を救出したV3、ライダーマンとの3ショットもあったりして、マニア的にはちょっとニヤニヤしますよね。
で、ライダーマンはプルトンロケットを上空で自分もろとも爆破し、一応はここで死んだということになっています。ただ、なぜなんでしょう。『仮面ライダーアマゾン』でのモグラ獣人の最後の時とか、『仮面ライダーストロンガー』でのタックルの最後の時とかは何度見てもウルウルときてしまうのですが、このライダーマンの最後は何故か全然平静に見れてしまうんですよね…やっぱり、後々ちゃっかり復活することがわかってしまっているからなのか…
脚本:鈴木生朗
監督:内田一作