あらすじ
まさひこの特訓により日本語をほぼ完全に習得したアマゾンが藤兵衛と立ち話をしているところに、りつ子が「百合が原上空に変な怪人が現れた」という報告をもたらす。アマゾンがジャングラーで急ぎ現場へ向かうと、そこにいたのは他ならぬ十面鬼であった。呪術で暗闇にされた空間で十面鬼と変身して対峙するアマゾンライダー。激しい戦いの末、人面岩の顔を一つ潰された十面鬼は狼狽えてその場を離脱した。
逃げた十面鬼の行方を捜すアマゾンの前に現れた美女・ミリ。彼女は父親をゲドンに殺され、アマゾンもゲドンの仲間と誤解してその命を狙っていたが、本人と藤兵衛らの説明により誤解を改め、自分もともに戦うと申し出た。
いったん山小屋に篭もるために薪拾いに出ていたまさひことミリを獣人ヘビトンボが襲う。様子を見に来たアマゾンが割り込むも、変身する余裕も無く劣勢。モグラ獣人が割り込むことで隙を作り、アマゾンはその場を離脱した。しかし、この襲撃でまさひこが負傷。藤兵衛はまさひこを病院へ連れて行くため下山することにし、アマゾンがそれを見送ったが、ミリとモグラ獣人が残った山小屋をヘビトンボが襲撃。モグラ獣人を昏倒させ、ミリを誘拐した。
気絶しているモグラ獣人を助け起こすアマゾン。「ヘビトンボの後を追う。ゲドンのアジトが解る」「ミリさんを助けるんじゃないのか?」訝るモグラ獣人を置いて、ヘビトンボを尾行するアマゾン。しかし、尾行はヘビトンボに気づかれていた。ミリの命を盾にギギの腕輪を要求するヘビトンボに、アマゾンは言い放つ。「ゲドンのジューシャの命、アマゾン、知らん」
ミリはゲドンのスパイだった。最初からミリを疑っていたアマゾンは、ミリがモグラ獣人を怖がる様子が無いのを見て確信に至っていた。正体を現して襲ってくるジューシャを苦も無くあしらったアマゾンは、アマゾンライダーに変身してヘビトンボと相対。激しい攻防の末、両腕を切り落とされて行動不能になったヘビトンボは、蛹と化して谷底へと消えた。その瞬間の油断を突いて、十面鬼がいきなりアマゾンを奇襲。脚を人面岩の下敷きにされたアマゾン、絶体絶命!
解説
今回から、アマゾンがほぼ完璧な日本語を使いこなすようになります。まさひこの特訓により身につけたとのことですが、「アマゾンはもともと頭がいい」とまさひこが言っているのは、事実でしょうね。元々まったく日本語を知らなかったアマゾンが、来日してからほんの僅かな期間で、片言ながらも日本語を駆使して、まさひこや藤兵衛らとコミュニケーションが取れていたのは、知能が高くなければできないことでしょう。
まあ、番組の路線変更で従来に近い方向に寄せている以上、言葉を駆使できない主人公は扱いにくかったという事情が優先されたのだとは思いますが。
で、ゲドンとの戦いもいよいよ大詰め。十面鬼が自ら最前線に出てきて、人間やアマゾンを襲撃し始めます。アマゾン達は山小屋を拠点にしてゲドンと十面鬼の動きを探っていきます。
その中で登場した謎の美女・ミリ。演じているのは小野富士子という女優さんらしいのですが、調べても詳しい情報がほとんど出てこない。なかなかの美人さんなのですが、あまり売れずにひっそりと女優業から退かれた感じでしょうか。最後に正体を現してジューシャになるのですが、ジューシャを演じていた女性達は失礼ながらちょっとずんぐり体型な方達が多かったのですが、ミリのジューシャ姿はスレンダーでスタイルが良く、正直別次元でしたね。アマゾンにあっさりあしらわれ、次回に引き続いて登場するわけでもないので、途中までストーリー上の重要人物として画面を支配しながら、その退場はいささかあっさりしすぎな感は否めません。
今回登場した獣人ヘビトンボ。名前からして、ヘビとトンボの性質を併せ持つ獣人?…と思ってたのですが、実際にヘビトンボという昆虫がいるようです。で、このヘビトンボ、幼虫体と成虫体を持っており、今回登場するのは幼虫体。最後は蛹になって消え、次回は成虫体となって再登場します。同じような、幼虫体と成虫体を持つ怪人には、ショッカーのドクガンダーやブラックサタンのケムンガ(成虫体はドクガラン)がいますね。
脚本:伊上勝
監督:塚田正煕