あらすじ
アポロン宮殿の外部でクロノス相手に戦うXライダー。Xキックでクロノスを仕留めることには成功するが、すれ違いざまに左肩に大鎌を食らい傷を負ってしまう。苦悶するXライダーは宮殿内に逃走。通気ダクトに身を潜め、アポロ宮殿内部を捜索しつつ傷の回復を待っていた。その中で、詳細は不明だが「ファイヤー作戦」なる計画が実行されようとしていることを知る。しかし、左肩から血が垂れていたため戦闘工作員に居場所を見破られてしまった。
一方で、医務区画で行われていたのはアポロガイストの再生手術だった。川上、宮本両博士の手により、より強力な武装を得て復活したアポロガイストは、戦闘工作員に追われて外部に脱出した敬介と対面。驚愕する敬介を前に、Xライダーになって戦えと迫るが、敬介は左肩の負傷でパーフェクターを取り出せず、セットアップ不能になっていた。セットアップできない敬介をアポロガイストは一方的に叩きのめし、アポロン宮殿の牢獄に幽閉した。
「傷が治るまで俺は待つ。だがその時がお前の最後の時だ!」
その頃、GOD怪人ケルベロスは、総司令の命を受け、COLを占領。藤兵衛、チコ、マコを拘束し、COLを司令部として東京都の全家庭に高圧電流を流して火の海にする「ファイヤー作戦」の準備を進めていた。
幽閉された敬介はアポロガイストの命令で診察に来た川上博士を拘束して、牢獄からの脱出に成功する。そして戦闘工作員に変装してアポロン宮殿から脱出する過程で、COLがケルベロスによって占領されたことを知る。怒ったアポロガイストが川上博士を処刑して敬介を追うが、敬介はXライダーにセットアップしつつ相手にせずCOLへ急行。
COLでは、今まさにファイヤー作戦の準備が完了し、作戦開始のスイッチオンまで秒読みを迎えていた。が、まさにスイッチオン直前のタイミングになってXライダーが間に合った。作戦を妨害され激怒するケルベロスとXライダーの戦いに。ケルベロスが持つ5万ボルトの高圧電流に苦戦するXライダー。Xキックすらも受け止められ、逆に電流を流されてダメージを受ける。しかし、一計を案じたXライダー。ライドルロングポールを駆使してケルベロスを川へたたき落とした。ケルベロスは全身の電流がショートしてそのまま爆死。
東京を火の海にするファイヤー作戦は阻止された。だが、復活したアポロガイストとの激しい戦いが、これからも続くのである。
解説
違う…コレジャナイ…
アポロガイスト復活回です。再生前とは結構ルックスが変わっています。基本的なフォルムは変わってないのですが、以下のような違いがあります。
- 頭部に銀色の縦ライン状のパーツが追加
- 右腕に装着された「アポロマグナム」
- 左の盾「ガイストカッター」の装飾が派手に
- マントのデザインも派手に
とまあ、全体的に見た目の派手さが増している感じです。とくに重戦車すら一撃で貫くという右腕のアポロマグナムはえげつなく、再生前に持っていた銃器がショボっちく見えてしまいます(笑)
しかし、以前書いたとおり、私は再生アポロガイストには微妙な「コレジャナイ」感を抱いていまして…。その一端は今回のエピソードにも既に現れています。
復活して敬介と対面したアポロガイストの台詞がまずひとつ。
「俺は貴様を殺すまでは何度でも生き返る。貴様にとっては迷惑な相手なのだ!」
迷惑な相手って…もう少しマシな言い回しは無かったんですかね…
そして、アポロン宮殿から脱出した敬介を追走した時のやりとり。
「俺は言ったはずだ、Xライダーになったときが貴様の最後の時だと!」
「アポロガイスト、Xライダーに敗れたのを忘れたのか?」
「黙れ!今の俺は昔のアポロガイストではない!」
「何回生まれ変わっても、アポロガイストはXライダーの敵ではない!」
「ぬぅぅ…食らえ!マグナムショット!!」
めっちゃ煽りまくってくるスタイルのXライダーに、まんまと乗せられて激高するアポロガイスト。あのクール・ガイはどこへ行ってしまったんだ…
その上…
「残念だがお前の相手をしている時間はない!」
とXライダーにスルーされてしまう始末。
違う、こんなのアポロガイストじゃない…(涙)
ケルベロス
ところで、初期のGOD怪人はギリシャ神話をモチーフにしており、名称に関しては確かに馴染みが薄いのですけど、造形に関しては秀逸な怪人も多いです。今回のケルベロスは、原典のギリシャ神話では3つの頭を持つ犬の怪物とされていますが、その設定がきちんとデザインに反映されていて、通常の頭部の他に、左肩の前後にも犬の頭部をデザインしたオブジェが配されており、非常に特徴的な造形となっています。一見の価値ありですよ。
あとこいつ、当サイト的に最近のトレンドとなっている電気系怪人です。その電圧、5万ボルト。まあ、そこそこな感じでしょうか。
当サイトでここまで登場した主な電気系怪人を電圧で比較するとこんな感じです。
名前 | 所属 | 電圧 |
---|---|---|
エイキング | ショッカー(ゾル大佐) | 100万ボルト |
クラゲウルフ | ゲルショッカー | 10万ボルト |
ナマズギラー | ショッカー(死神博士) | 10万ボルト |
ケルベロス | GOD | 5万ボルト |
シードラゴン | ショッカー(地獄大使) | 1万2千ボルト |
クサリガマテントウ | デストロン | 3千ボルト |
やはりエイキングが圧倒的です。…うん、デストロンはもうちょっと頑張ろうか。
「立花コーヒーショップ」
今回、COLがケルベロスによって作戦本部として占拠されてしまいますが、そのCOLのことを誰一人「コル」と呼ばないんですよ。GOD総司令も、戦闘工作員も、挙げ句敬介までが「立花コーヒーショップ」などと呼んで、誰一人正しい店名を口にしない。
正直、「コル」って店名は、前作で使われていた「セントラルスポーツ」や前々作で使われていた「スナック・アミーゴ」なんかと比べると、アッサリしすぎていて、仮に劇中で「コル」の名称で呼ばれても視聴者には「なんのこっちゃ?」となっていた可能性はありそうですけどね…そのあたりが考慮されたんでしょうか。
ジャンピングセットアップの謎
ちなみに監督は前回に続き折田至。セットアップもジャンピング式です。今後もジャンピング式と普通のセットアップが共存していくのですが、このジャンピング式は折田監督独自の演出なのかと思って、先の方のエピソードをいくつかチラ見してみました。
確かに折田監督エピソードでは12話以降全てでジャンピングセットアップが採用されている一方で、他の監督のエピソードではほぼありません。ただ、内田一作監督のエピソードで一つ確認できたので、必ずしも折田監督のスタンドプレーというわけはないのかもしれません。
でもダメです。あれは後からジワジワくるのでヤメテクレ、マジで。
脚本:伊上勝
監督:折田至